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TSE教育ホットライン

Vol.373「連載第十四回「歴史の中の市場と証券」」

今回は江戸時代のお米の話をします。
豊臣秀吉による太閤検地は、米の収穫量である石高でもって、すべての資産を統一的に計測したもので、
税金は計測された石高に応じて、米によって収められるようになりました。これを石高制というのですが、江戸幕府はこの石高制を踏襲します。
ちなみに、一石は1000合で、成人男性は一日に3合食べるとされることから、おおよそ1年当たりの成人男性の米の消費量が1石ということになります。
100万石ならば、100万人の成人男性1年分の米の量という事ですね。

各藩の収入は、ほぼ、この米によって収められる税収に頼っていました。
各藩はこの米を換金(米を売る)し、様々な出費に充てているわけです。
米を買うのは最終的には、その米を食べる人達になるわけですが、各藩は小さなお米屋さんに米を売っていたわけではなくて、
各藩内の大規模な米商人や米の大消費地である大坂等に米を廻送し、そこで一括して売却していました。
藩によって税として徴収された米を領主米といいますが、こういった領主米の多くが主に大坂に集まっていました。
17世紀後半には、こういった領主米を効率よく換金する仕組みそのものが自然発生的に大坂に出来上がっていきます。
次回はその仕組みを説明します。

(金融リテラシーサポート部 石田 慈宏)

『おしごと年鑑2023』発刊のご案内

朝日新聞出版社制作の『おしごと年鑑』が今年度も発刊されました。

今回の私たちのテーマは、「毎年どのくらいの会社が上場しているの?」です。
上場についてや業種別の上場会社数ランキング等を紹介しています。
上場に際し審査する部署(上場審査部)の社員の声等、当グループならではの話も盛り込まれています。


『おしごと年鑑』は、全国の小学校や中学校を中心に約72,000部が寄贈されており、
私たち日本取引所グループをはじめ、110テーマの仕事内容が紹介されています。

また、ワークシートや各学年教科対応表等、授業でもご活用いただけるような情報が
『おしごと年鑑』の紙面・Webサイト共に載っていますので、是非ご覧ください。
そして授業にご活用いただけますと幸いです。

【東証マネ部!】今月の注目記事!!

来月はもう師走。先生方も更にお忙しい時期に突入されるかと思います。
今月は、忙しい合間に、気分転換にも授業の小ネタにもなるような、
気軽に読める「お金」にまつわる2記事をご用意しました。

▼お金にまつわる資格について、どのような資格がどのような場面で役立つのかを解説した記事です。
学校で教える内容ではないと思いますが、生徒の今後の進路によっては役立つ資格もあると思いますので、
ぜひご覧になってください。

▼銀行口座を売買する、セルフレジで商品を通し忘れる、落ちていた財布を持ち去る・・・
などなど罪であるということはわかると思いますが、
状況や気づくタイミングによって罪の重さが変わったり、問われる罪が異なったりすることをご存じでしょうか?
うっかりミスをしてしまうこともありますが、思わぬ罪に問われてしまう可能性があるので、十分に気を付けたいものです。
こちらも是非ご一読ください。

最近の株式市場の動向

11月になり、月初は暖かな日が続いていましたが、中旬以降、一転して急に気温が下がり、
冬の訪れを意識するようになりましたね。
季節の変化についていけず体調を崩す心配があります。体調管理にお気を付けください。

今回は先月10月以降の東京株式市場の動向について、簡単に市況を振り返ってみます。

2023年の10月の株式市場は、月の初めは、日米ともに長期金利が上昇したことなどから株価は急落して始まった後、
米国の金融引き締め懸念が和らいだことから、急速に株価が戻る場面となり、乱高下する相場展開となりました。
中旬になると、再び米国長期金利が上昇したことや中東での情勢悪化に加え、
日本銀行が金融政策を緩和修正するのではとの見方から値を下げ、大幅安商状となりました。
月末にかけては、日本企業の決算発表を受け、業績の違いにより値動きの荒い状況となりましたが、
日銀がYCC(イールドカーブ・コントロール)の再修正を決めたものの予想に反して大幅な修正には至らなかったため、
下げ幅をやや縮小して終わりました。
11月になると、米国での株価上昇の影響を受けて、東京市場でもおおむね上昇基調が続いています。

先月10月1か月間について、TOPIXで見た下落率は-3.00%、
上昇した主な業種は、食料品、パルプ・紙、銀行株で、下落した主な業種は、医薬品、機械、鉄鋼株でした。

また、昨年末からの比較では、10月末のTOPIXで見た上昇率は+19.1%、
上昇した主な業種は、鉱業、鉄鋼、輸送用機器株で、下落した業種は、医薬品株のみでした。

次号以降も、学校の授業等で参考にしていただけたら幸いです。