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TSE教育ホットライン

Vol.342 新連載第一回「澁澤栄一と東京株式取引所」

今回から新連載として、澁澤栄一が1878(明治11)年に、東京株式取引所という『証券』を取引する仕組みを創った話をしていきたいと思います。

栄一が日本に初めて証券を売買する取引所を創ったわけではありません。
実は最近の経済史の研究では、江戸時代の堂島米会所で行われていた米切手は金融機能を体した証券であり、
その売買は証券取引であり、堂島米会所は証券取引所であったというのは定説になりつつあります。
実際に、堂島米会所と栄一が創った東京株式取引所には多くの共通点があります。
しかしながら、当然、堂島米会所と東京株式取引所で売買された証券は大きく異なるものでした。
東京株式取引所で売買されたものは公債と株式という証券でしたが、特に株式は、米切手とは全く性質の異なるものです。

株式とは、会社を興す元手である資本を小口に分割して広く集める際にその資本の提供者に渡される証券です。
この会社という組織や株式を栄一が発明したわけでもありません。
栄一はこの会社と株式という新しい組織と証券を日本に定着させる最初の大きな役割を担いました。

その仕事の一環として東京株式取引所の設立があったわけですが、
この連載では、その仕事を通じて、日本に導入された会社と株式という根本的な仕組みをお話していきたいと思います。


(金融リテラシーサポート部 石田 慈宏)

オンラインセミナー案内「先生のための春の経済教室」

教員対象の、経済教育ネットワークと東京証券取引所が共催で行うオンラインセミナーのご案内です。

今回は、現代経済の新たな動向を、どのように読み解き理解するかを、2つの講義を通して考えます。
特に今、現実経済に急速な変化をもたらしている、経済のデジタル化やグローバル化を、世界経済と金融の変化から理解を深めて参ります。
新学習指導要領の実施を踏まえた機会にもなりますので、奮ってご参加ください。

視聴には申し込みが必要です。申し込み後、開催前日に視聴URLをお送りします。

■先生のための春の経済教室
・開催日時:3月27日(土) 14:00~16:00
・主催  :経済教育ネットワーク(共催:東京証券取引所(日本取引所グループ))
・開催方法:オンライン(Zoom)

・講演内容:講演①「現代経済における新しい動向と教科書記述をどう埋めるか」
      【講師】篠原 総一氏(経済教育ネットワーク代表)

      講演②「金融に関する教科書記述と現実のギャップ」
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・参加費 :無料
・申込締切:3月25日(木)

詳細は以下をご覧ください。