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TSE教育ホットライン

Vol.356「連載第十四回「澁澤栄一と東京株式取引所」」

これまでに述べてきたように、明治政府や澁澤栄一は証券取引所開設の必要性を認識することになるわけで、1874(明治7)年には証券取引所条例が交付されています。
この条例は、いわゆる「御雇い外国人」と言われた政府の外国人顧問の一人であるボアソナードが中心になって、ロンドン証券取引所の仕組みをそのまま取り入れたものでした。
しかし、ロンドン証券取引所の仕組みは長い英国の金融取引慣行のなかで作られたもので、日本の実情には即していませんでした。
この条例には、大坂の堂島以来、日本に広く定着していた帳合米取引のルールである清算取引(売り買いの後に売買価格の差額金を清算し、一定期間後に決済(証券とお金を交換する)するだけで、証券や商品の所有権は移動しない取引)に関する規定が定められていませんでしたが、日本の市場取引では、米(米切手)の取引や外国銀と日本銀の外国為替取引は、ほとんど清算取引で行われており、実用に耐えなかったのです。
また、現在の証券会社に相当する仲買人の保証金や取引毎の証拠金(売買を行った後に実際に決済を行うまでの間を保証する為のお金)が高すぎたと言われています。
結局、この1874(明治7)年の証券取引所条例は無視され、取引所を開設しようと言う者はいませんでした。
この後に発行される大量の公債は、私的な形で、堂島以来の清算取引方式で売買される様になったことは、これまでにお話した通りです。


(金融リテラシーサポート部 石田 慈宏)

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