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Vol.357「連載第十五回「澁澤栄一と東京株式取引所」」

日本に証券取引所を設立するには、そこで取引を行う当事者の意向は当然のことながら無視できません。
繰り返しになりますが、日本には欧米とは異なる米切手という証券の売買が、18世紀には公的な取引所である大坂堂島米会所で行われて、そのルールは広くほかでも定着していました。
明治政府はこれらの取引所での取引を“極めて投機的”であるとみなしており、明治2年には堂島をはじめ、全国の米会所を閉鎖させています。
澁澤自身も、日本の米相場等は投機的だと考えていたようです。
一方で、日本には、株式会社制度を導入して欧米の様に証券取引を行うには、その背景となる慣行が存在しません。
また、当時は米切手という証券の売買がベースになっていたので、日本では商品取引と金融取引を区別する考え方がもともとありませんでした。
そのため、明治政府が証券取引所をつくり、証券取引の公的なルールを定めるという事は、新しく出来た株式取引や公債の取引ルールだけを決めるのではなく、米取引のルールを決める事と同じだと考えられていたのです。
日本に証券取引所を創るには、明治政府が投機的と見做した取引慣行を排した、明治7年の証券取引所条例を押し通すか、従来の米取引ベースの取引慣行を株や公債の取引に適用するかしかありませんでした。
そして結局は、明治政府は従来の米取引の慣行をそのまま取り入れた米商会所条例を1876(明治9)に制定し、その条例がそのまま証券取引所条例として新しく制定される流れが作られます。
これらの一連の明治政府の決断の多くは、この当時にはすでに民間人となっていた澁澤栄一に依っており、実際、1877(明治10)年に、その時まだ存在しない(米商会所条例としては存在している)新しい証券取引所条例を前提とした証券取引所開設の請願(申請)が、澁澤等を発起人として行われています。


(金融リテラシーサポート部 石田 慈宏)

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