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Vol.358「連載第十六回「澁澤栄一と東京株式取引所」」

1876(明治9)年の米商会所(コメを取引する取引所のこと)条例は、江戸時代からの米取引のルールを取り入れただけではなく、その取引所(米商会所)組織について、新しいルールが導入されていました。
有限責任による株式会社組織とされたのです。
これは欧米の取引所が会員組織である事と比較して、大きな特徴と言えます。
明治7年の取引所条例の最初の案ではまさに欧米の取引所組織が想定されていましたから、大きな変更点です。
なぜ、株式会社組織にしたのかについて、専門の研究者も明確な解釈をしていませんし、公的な記録として残されてもいません。
ただ、1872(明治5)年に創設された横浜金穀取引所が、仲買人による行動経営組織になっており、その経営の中心となっている仲買人達の相場戦において、都合に応じて自儘に定款が変更されたこと等により1874(明治7)年に閉鎖される事態が起きていました。
その際、そのメンバーの多くが、依然として東京の米取引や公債取引の中核メンバーであった事を考えると、これらの仲買人が新しくできた取引所の経営を左右する事が無いように株式を分散所有して、経営と所有を分離させようとしたというのは想像に難くないと思われます。
実際に、1878年(明治11)年に制定された取引所条例では株式会社組織の制度が採用され、東京株式取引所が設立されたとき、最初の株主は96名で、仲買人達の保有株式は全体の3割程度に抑えられ、経営者は仲買人以外から選ばれています。

(金融リテラシーサポート部 石田 慈宏)

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