活動レポート
2024.12.26 東京都
経済教室
先生のための冬休み経済セミナー

2024年12月26日「先生のための冬休み経済セミナー」を開催しました。
年の瀬のお忙しい中たくさんの参加者の方にお集まりいただき、先生方に対面でのセミナーをお届けいたしました。
昨年開催した同セミナーでも専門家の意見を聞くことができる点について、ご好評いただきました。今年は昨年よりゲスト講師を1名増やし、合計3名の方に3つの議題をご講演いただきました。
① 「マイナス金利解除でどう変わる」
② 「学びの場での『問いの活かし方』」
③ 「AIが変える私たちの働き方」
【開催概要】
開催日 :2024年12月26日(木)
場所 :東京証券取引所 1階 東証Arrowsプレゼンテーションステージ
参加者数 :100名
プログラム:
・主催者挨拶 菊地 晶子(東京証券取引所 金融リテラシーサポート部長)
・講演①「マイナス金利解除でどう変わる」 清水 功哉氏(日本経済新聞編集委員)
・講演②「学びの場での『問いの活かし方』」 鍋島 史一氏(教育実践研究オフィスF 代表)
・講演③「AIが変える私たちの働き方」 安藤 至大氏(日本大学経済学部 教授)
セミナー終了後には、多くの先生方に上場セレモニーを見学いただくことができました。
東京証券取引所(日本取引所グループ)では、先生方に、授業にご活用いただけるセミナー・研修の提供だけでなく、教材開発やWebサイトの拡充にも取り組んでおります。引き続き皆様のご理解・ご協力をお願い申し上げます。
「先生のための冬休み経済セミナー」主催者挨拶
菊地 晶子(東京証券取引所 金融リテラシーサポート部長)
小中高校生、そして教員の皆さまを対象とする活動「スクールマネ部!」では、授業支援や副教材の提供等を行うほか、今回のセミナー会場からもご覧いただけるガラスシリンダー等を中心とした施設「東証Arrows」を見学可能です。見学に合わた予約制で、講義や投資シミュレーションの体験もできます。
こうしたArrows 見学・体験学習も、年間指導計画のなかに組み込んでいただくなど、ご活用をご検討いただけますと幸いです。
講演①「マイナス金利解除でどう変わる」 清水 功哉氏(日本経済新聞編集委員)

1)異次元緩和とは何だったのか
2)なぜインフレになってきたのか
3)24年3月の日銀決定の内容は
4)金融正常化の3つの要素
5)日銀利上げをめぐる3つの論点
6)日銀は政策判断で何を見るか
7)「金利が上がる世界」で何が起きるか
について、詳細に掘り下げご解説いただきました。長年、金融政策の現場を取材してきた記者ならではの実戦的な内容でした。
講演②「学びの場での『問いの活かし方』」 鍋島 史一氏(教育実践研究オフィスF 代表)

1)問いが本時の主眼であり、到達目標を“具体的”に提示すること
—不明の所在に気づけば、解消したくなるのが“本能”
—問いに見出す“関わり”=学ぶことへの自分の理由
2)学習方策の獲得は、課題解決の工程の中で進む
—学びの個別化にも、“適切な問い”が入り口になる
3)答えを仕上げて深い学び、振り返りで学習の改善
—進捗と改善課題の把握、答案のシェアでの相互啓発
4)問いを立てる=解決すべき課題/ゴールを設定
—より良い社会の創造は、解決すべき課題を見つけてこそ
—AIの効果的活用に不可欠なのも“問いを立てる力”
といった項目に沿って、授業の組み立て方のコツや、生徒とのかかわり方、様々な生徒がいる中での対応方法等ご教示くださいました。これらの関連内容は『公式ブログ「現場で頑張る先生を応援します!」』でもご紹介があります。
講演③「AIが変える私たちの働き方」 安藤 至大氏(日本大学経済学部 教授)

1)AIの現状
2)AIに関する経済学の議論
・技能偏向的技術進歩(SBTC)
3)教師の働き方が変わる
・AIが教育現場にもたらす影響
4)子供たちの未来の働き方
・将来の労働市場におけるAIの役割
・変わる職業観と求められるスキル
という項目について、わかりやすくご解説いただきました。
今までの歴史的な技術革新では人間の仕事が失われるほどの急激なものではなかったものの、今回のAIの台頭では人間の仕事が急速に奪われていく可能性があり、いかに時代に合わせて仕事が変化することに対応するかが重要だというお話が非常に印象的でした。
今回の経済教室にご参加・ご視聴された先生方からは、「お金稼ぎのためだけではなく、お金の流れでどんな価値がもたらされるのかを考えるいい機会になりました。」「いま求められる教育をまた異なる視点で違った表現で聞くことができました。」「大変参考になり80分が短く感じました。」「通常はいることが出来ない特別な場所での研修はとても有意義でした。」などお声を多数いただきました。
今後も、実際の教育現場において、限られた授業時間の中で効果的に金融知識を教えられるような、授業支援のためのプログラムに取組んで参ります。
冬休み経済セミナーをはじめ、今後の東証によるセミナー開催の有無や詳細は、当サイトや、JPX(株式会社日本取引所グループ)のHPなどでご案内いたします。是非ご確認ください。
今後とも、弊社の金融経済教育に対する取り組みへのご理解、ご協力の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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