マーケットニュース
2026/09/28 東証 特別注意銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求:(株)ウェルディッシュ
以下のとおり、特別注意銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求を行うことにしましたので、お知らせします。
※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。
| 1.銘柄 | 株式会社ウェルディッシュ 株式 (コード:2901、市場区分:スタンダード市場) |
| 2.特別注意銘柄指定日 | 2026年9月29日(火) |
| 理由 (関連条項) |
上場会社の中間連結財務諸表に添付される期中レビュー報告書において結論不表明が記載され、内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められるため (有価証券上場規程第503条第1項第2号b) 企業行動規範の遵守すべき事項(業務の適正を確保するために必要な体制整備)の規定に違反し、内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められるため (有価証券上場規程第503条第1項第4号) |
| 3.上場契約違約金金額 | 2,880万円 |
| 理由 (関連条項) |
企業行動規範の遵守すべき事項(業務の適正を確保するために必要な体制整備)の規定に違反し、当取引所の市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められるため (有価証券上場規程第509条第1項第2号) |
| 4.理由の詳細 | 株式会社ウェルディッシュ(以下「同社」という。)は、2026年4月22日、代表取締役(同年5月19日付で代表取締役を辞任し、また、取締役についても同年8月31日付で辞任のため、以下では「元代表取締役」という。)による新株予約権の行使プロセス等に関する独立調査委員会の設置について開示し、同年8月10日、独立調査委員会の最終調査報告書の公表について開示しました。 また、かかる過程において、同社は同年5月14日に、「結論の表明をしない」旨が記載された期中レビュー報告書を添付した同年8月期半期報告書を提出し、その旨を開示しました。 これらの開示及び提出、さらに日本取引所自主規制法人による照会及びヒアリング等により、以下の事項が明らかとなりました。 ・元代表取締役は、行使価額が1株当たり140円の同社第4回新株予約権の行使に際して、正式な行使価額、必要な払込額、自らが有すると主張する報酬債権の存否及びその利用可能性を十分に確認せずに1株当たり5円を行使価額とする処理を進めようとし、また、当該行使請求後、行使に疑義を呈する同社取締役等に対して、監査法人等の了解を得ているとの虚偽説明を行うとともに、さらに、当該行使請求時に同社従業員に提示した書類の廃棄を独立調査委員会による調査開始直前において同社従業員に指示するなどの対応を行っていたこと。 ・元代表取締役及び元常務取締役(2025年6月退任)は、同社第3回新株予約権の譲渡等に関する取締役会議事録や外部弁護士名義の資料の事後的な作成・改変等に関与していたこと。 ・元代表取締役は、同社が非上場会社の子会社化を行う際に、適切な財務DDを実施するように対処せず、また、子会社化される会社が行っていた関連当事者等との取引の実態等、重要な情報を同社取締役会に提供せずに、さらに子会社化に際して基本合意書を締結する際には取締役会決議が必要と認識しつつ取締役会を招集していなかったこと。 ・2024年6月に同社取締役(監査等委員)に就任し、また、2025年11月に同社取締役となった取締役は、同社取締役(監査等委員)であった時期に、同社と自らが代表取締役を務める会社との取引及び同社と個人との間での覚書締結といった利益相反取引の実施に際して、会社法上必要となる同社取締役会の取引実施にかかる事前の承認を得ていなかったこと。 ・同社グループと特定の取引先グループとの間において、独立当事者間の取引とは認めがたい取引や否認はできないものの役務提供の実態に疑義のある取引などが多数存在し、また、これらの取引の適正性を説明するための証憑類が欠けていたこと。 ・2025年3月期以降、同社グループにおける売上高の相当程度を占めるとされていた取引については、本来、代理人取引として売上高は純額表示とすべきものであったものの総額表示がなされており、また、当該取引に関して、元代表取締役は、会計処理に影響する可能性のある重要な情報を監査法人に提供していなかったこと。 ・同社が過去に実施した非上場会社の株式交換による完全子会社化に際して、完全子会社化される会社の株主構成等について実態と異なる開示及び日本取引所自主規制法人への説明等がなされていた結果、日本取引所自主規制法人が過去に行った上場廃止基準(不適当な合併等(有価証券上場規程第601条第1項第5号a))への該当性を確認する審査の結論に重大な影響が生じていたこと。 また、これらの事項の背景・原因として、本件では、主に以下の点が認められました。 ・元代表取締役は、コンプライアンス遵守の意識が欠如している中、短期的な株価上昇及び自己の利益を過度に意識した経営を優先しており、また、上場会社の経営者として求められる誠実性・説明責任に欠けていたこと。加えて、元代表取締役以外にも、株式交換時の不適切な開示の容認や独立調査委員会への協力的とは言い難い言動を行うなど、コンプライアンス意識の重要性を十分に認識していない取締役が存在していたこと。 ・売上や利益に大きな影響を与える事業の適切性について十分な注意が払われず、また、株式交換の実施といった会社の経営上、重要な意思決定時において、十分な説明がなされない中で、取締役会での承認が書面決議で済まされるなど、取締役会の経営監督機能が十分に働いていなかったこと。 ・法務部門、経理部門、内部監査部門等の管理体制が脆弱な中で、元代表取締役への実務権限の集中が進んでおり、経営者による不正が生じやすい土壌が形成されていたこと。 ・特定グループに対する取引の過度な依存と、人的・資本的な関係を背景に、当該特定グループとの取引について、十分な監督機能が発揮できていなかったこと。 以上のとおり、本件は、投資者が適切な投資判断を行うにあたっての前提となる半期報告書の中間連結財務諸表に添付される期中レビュー報告書の監査人の結論が結論不表明となったものであり、また、企業行動規範の遵守すべき事項(業務の適正を確保するために必要な体制整備)の規定に違反したと認められ、同社の内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められることから、同社株式を特別注意銘柄に指定することとします。 また、本件は、経営者不正を含む様々な問題の存在が明らかとなり、また、その背景・理由には、経営者のコンプライアンス意識の欠如、取締役会の経営監督機能の不十分性、管理体制の脆弱性といった内部管理体制の重大な不備が認められるものであり、当取引所市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められることから、同社に対して、上場契約違約金の支払いを求めることとします。 |
- なお、同社については、本日付で「実質的存続性に関する審査結果(実質的存続性の喪失)及び猶予期間入り」を別途公表しております。
お問合せ
株式会社東京証券取引所 上場部 開示業務室 ディスクロージャー企画グループ
電話:03-3666-0141(代表)