経済を学ぶ for STUDENTS 経済を学ぶ for STUDENTS

ちょっとだけ将来のお金について考えてみよう

 私たちの生活に「お金」は欠かせないものです。社会人になると収入(入ってくるお金)と支出(出ていくお金)の管理をしなくてはなりません。また、長い人生では様々なライフイベントがあり、主に4つの支出があります。

人生での大きな支出

教育費

約1,000万円 (子供1人に対して幼稚園~大学までにかかる費用(すべて公立学校に通う場合))
約2,300万円(同(すべて私立学校に通う場合)) 
(文部科学省 「子供の学習費調査」・日本政策金融国庫「教育費負担の実態調査(勤務者世帯)」調べ)

住居費(家を買ったり借りたりするお金)

約3,700万円(住宅金融支援機構調べ)

結婚資金(結婚にかかるお金)

約460万円(ゼクシィ調べ)

老後にかかる費用(会社を退職した後の生活費や医療費)

約28万円(月額)(生命保険文化センター調べ)

このように、将来の支出のためにお金を貯めたり、増やしたりする「貯蓄・運用」が大切になります。

貯蓄・運用の方法

 「貯蓄」も「運用」も、お金を増やす方法です。「貯蓄」は、確実にお金を貯めていくことを重視します。一方、「運用」では、様々な金融商品を購入することになります。金融商品は、株式、投資信託、債券などです。お金を活用し確実に少しずつお金を増やそうとする方法や、損をする可能性が高くなってもお金をたくさん増やすことを重視する方法(「投資」)もあります。

預金・貯金

 銀行にお金を預けることを預金(よきん)、郵便局にお金を預けることを貯金(ちょきん)といいます。預金の中で代表的なのは、いつでもお金を引き出せる普通(ふつう)預金(よきん)と一定期間預ける定期(ていき)預金(よきん)です。預金や貯金をすると、期間に応じて利息を受け取ることができます。現在利息はとても低い水準で、普通預金の平均は0.001%です(2018年1月現在)。

株式

 株式を買うことは、株式を発行している会社の所有者のひとりになることです。会社が利益を出せばその一部を配当金として受け取ることができます。また、株式を買った値段より高く売ればその差額が利益となります。ただし、会社の業績が悪くなり、株式の値段が下がったときは損をすることもありますし、配当金が減ったり、倒産したりする可能性もあります。

株主とは

投資信託

 投資信託は、多くの出資者からお金を集め、まとめて専門家が様々な商品に分散して運用し、その成果を出資者で分配するという金融商品のことです。この中には、例えば、個別の株式を買うより少ない金額で、TOPIXや日経平均株価のような日本全体の景気を表す資料に投資できるETF(上場投資信託)という商品もあります。

東証マネ部!

債券

 国や地方公共団体、会社などが投資家からお金を借り入れ、その証拠に発行するのが債券です。債券を買うと定期的に利子を受け取ることができ、決まった期日(満期日(まんきび))になると、債券に書かれている金額(額面(がくめん))が戻ってきます。利回りがあらかじめ設定されているので、株式や投資信託に比べると、ローリスク・ローリターンといわれています。

保険

 私たちの生活には病気や事故、災害などで生命や財産を失う危険があります。このようなことから経済的に生活を守るだけでなく、将来へのお金を貯める方法のひとつに保険があります。

貯蓄・運用の3つのポイント

大きな支出などに備えてこれらの金融商品を上手に活用することが大切です。金融商品を活用するためのポイントが3つあります。

①換金性(かんきんせい)
必要なときすぐにお金に換えられるかどうか。

②安全性
決められた利息・利子を定期的に受け取ることができ、元本(がんぽん) (元のお金)も保証されているかどうか。

③収益性(しゅうえきせい)
値上がりなどによって利益が期待できるかどうか。


以上の3つのポイントを全て満たす金融商品は残念ながらありません。それぞれの商品の特徴を知った上で活用すること大切です。
まとめ
将来の支出を意識しながら、貯蓄や投資にも関心を持ってみましょう。
ライフプランと資産運用