TSE教育ホットライン
Vol.387<先生のための冬休み経済セミナー>活動レポート
昨年12月26日に開催いたしました、先生のための冬休み経済セミナーには、
100名の先生方にお申込みいただきました。ありがとうございました。
当日の講演要旨をWEBサイト<なるほど!東証経済教室>に掲載いたしました。是非ご覧ください。
▼先生のための冬休み経済セミナー開催概要
主催 :株式会社東京証券取引所(株式会社日本取引所グループ)
開催日 :2024年12月26日(木)
会場 :株式会社東京証券取引所
講演内容:①「マイナス金利解除でどう変わる」
清水 功哉 氏(日本経済新聞編集委員)
②「学びの場での「問いの活かし方」」
鍋島 史一 氏(教育実践研究オフィスF 代表)
③「AIが変える私たちの働き方」
安藤 至大 氏(日本大学経済学部教授)
今後も先生方対象のセミナーを開催します。
内容は弊社WEBサイトや本メールマガジンでご案内いたしますので是非ご参加ください。
【東証マネ部!】今月の注目記事!!
NHKで2019年からレギュラー放送されている教養バラエティー『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』。
毎回ひとつのアイテムや業界をテーマとして取り上げ、“お金にまつわるヒミツ”を紐解いていく人気番組です。
NHKでここまでお金について踏み込んだ番組も珍しいですが、どのような経緯で企画されたのか、
番組づくりにあたってどのような点を意識されているのかについて、番組を立ち上げたプロデューサーの河瀬大作さんにお伺いしました。
世界的な人気を誇るゲーム、「マインクラフト」。
そんな「マイクラ」の世界観のなかで、お金に関するルールやお金を使う際の心構えを学ぶことができる
『あそびながら楽しく学ぶ! マインクラフト はじめてのおかねのほん』がKADOKAWAから発売されました。
この書籍の監修を務めたFPの浜田節子さんは、お金の種類や数え方だけでなく、お金の歴史や使う際の心構えも学べる内容を意識されたとのこと。
小学校でのお金の授業のご経験もある浜田さんが、書籍を通じて子どもたちやパパ、ママに伝えたいことを伺いました。
◆◇最近の株式市場の動向◇◆
新年1月になり、月の前半は気温も下がり、大雪に見舞われた地域も多く、厳しい冬となりましたが、
後半は少し寒さも緩み、比較的暖かい日も増えてきました。
まだまだ、寒暖差の大きい時期が続くようですが、着実に春に向かっているようです。
ただ、インフルエンザなど感染症が流行しています。引き続き体調管理に注意が必要です。お気を付けください。
では、今回は昨年12月以降の東京株式市場の動向について、簡単に市況を振り返ってみます。
2024年12月の株式市場は、月の初めは、配当金が更に再投資されるとの見方や、欧米・中国市場での株高も好感されて、堅調に推移しました。
中旬では、米国株式市場でナスダック指数が初めての2万ポイント台へ上昇したことなどから、東京市場も値上がりして一段高となりましたが、
米国での金利引下げのペースが鈍化するとの見方から、米国株式市場が値下がりしたことを嫌気して、東京市場でも上げ幅を縮小しました。
月末にかけては、業績が好調で上昇した自動車株や、円安の進行を受けて、輸出関連株全般も買われて大幅に上昇して、
日経平均は終値で一時4万円台となったものの、年末年始で東京株式市場が6連休となることなどから、若干値下がりして終わりました。
新年1月になると、東京株式市場は、米国でのトランプ新大統領の政策に対する不透明感などから、やや軟調に推移しています。
先月12月1か月間について、TOPIXで見た上昇率は+3.89%、
上昇した主な業種は、輸送用機器、海運、その他製品株で、下落した主な業種は、電気・ガス、陸運、医薬品株でした。
また、2023年末との比較では、2024年12月末のTOPIXで見た上昇率は+17.68%、
上昇した主な業種は、保険、非鉄金属、銀行株で、下落した業種は、陸運、空運、鉄鋼株でした。
学校の授業等で参考にしていただけたら幸いです。
連載第二十八回「歴史の中の市場と証券~証券市場について歴史を遡って見つめる~」
明治元年にできた横浜の私的な洋銀取引会所(取引所)は、明治新政府の政策によって翌年に設立された横浜通商会社の中に移行しています。
この通商会社では米と洋銀の双方の取引所機能を有していたようです。
通商会社は、有力な横濱商人達によって出資され、洋銀部門の実質的な責任者は田中平八でした。
田中自身が、この通商会社の洋銀取引所で相当な量の取引を行った記録も残っています。
また、この横浜通商会社時代に、田中は洋銀札(ドル紙幣)を横浜為替会社が発行する際の責任者になってもいます。
日本においてドル紙幣が発行されていたという事態をご存知の方は少ないと思います。
貿易の拡大において外貨そのものが実需に追いつかなくて決済に支障が生じていたという事が背景にあるのですが、
洋銀との兌換(交換可能)を条件にした紙幣の発行というのは、ある意味金融の仕組みの根幹に触れる部分があります。
こうした制度構築の責任者を任されるほどに、田中は横浜において新しい金融というものを実務上理解しているビジネスリーダー的な存在であったことは間違いありません。
そういったスキルをもった人材は当時とても稀有だったのではないかと推察されます。
少しだけこの通商会社と江戸期から続く堂島の米会所との関係を述べておきますと、
江戸期から続いていた堂島の米会所は明治2年に閉鎖され、横浜と同様に大坂に設立された大阪通商会社に米取引所としての業務が移行されます。
ただし、以前にもお話ししましたように、江戸期の堂島の米会所では各藩の税収としての米を基として発行された米切手が売買されていたわけですが、
その各藩の米切手発行機能は明治以前に完全に機能しなくなっており、
通商会社に移行した米取引所は各藩の財政をファイナンスするための金融市場ではなく、
単に、商品としての米を売買する為の市場となっている事は留意すべきです。
(寄稿者 石田 慈宏)
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