教育支援プログラム for TEACHERS / PARENTS 教育支援プログラム for TEACHERS / PARENTS

活動レポート

2021.08.13   東京都     経済教室
【オンライン】先生のための夏休み経済教室


<先生のための「夏休み経済教室」>を開催しました。今年で13回目となる学校教員向けのセミナーですが、今年は初のオンラインで開催をいたしました。主に金融や経済分野を教える中学校・高等学校の先生に、2日間でのべ約430 名の方にご参加いただきました。ご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。

昨年度は新型コロナウイルスの影響を受け中止となりましたが、今年は新しい試みとしてオンラインを活用したことで、より様々な地域の先生にご参加いただき、大変好評をいただきました。
さて、今年度のテーマ・キーワードは、「ポスト・コロナ時代における経済教育の進め方」として2日間に分け、4名の講師の方をお招きし、ご講義をいただきました。
8月13日の前半では、同志社大学政策学部 教授 野間 敏克氏より「新教科書の読み方・授業での生かし方」として講演をいただき、新指導要領の確認のポイントや、各社の新旧教科書比較など分析いただきました。質疑応答は、 東京都目黒区立 東山中学校 主任教諭 三枝利多氏にご担当いただき、現場の視点から授業の組み立て方のヒントをご提示いただきました。
また後半では、立命館大学 非常勤講師 河原 和之氏より「ポスト・コロナ時代のネタの集め方・生かし方」として講演をいただき、経済概念(見方・考え方)を育成する授業のネタとその事例や、授業事例を提案いただきました。質疑応答は 埼玉県春日部市立 武里中学校 教諭 小谷勇人氏にご担当いただき、セミナー申し込み者からの質問を紹介いただくとともに、要点を再確認していただきました。
8月16日の前半では、大阪大学 感染症総合教育研究拠点 特任教授 大竹 文雄氏より「経済教育に行動経済学をどう生かすか」として行動経済学を今の行動に生かす、繋げることについて、具体例を用いて講演をいただきました。質疑応答は 東京都立 井草高等学校 教諭 杉浦光紀氏にご担当いただき、行動経済学の知見を教科書や授業で取り込むための方法などについて、掘り下げていただきました。
また後半では、慶應義塾大学経済学部 教授 坂井 豊貴氏より「社会や経済は複雑すぎて、経験や直感だけで理解できる代物ではない」として8つのTipsに沿って、授業にとどまらない生きる上で押さえておくべき事項について講演をいただきました。質疑応答は 東京都立 農業高等学校 主任教諭 塙枝里子氏にご担当いただき、各Tipsの授業での活用方法や、高校での経済教育の在り方について質問いただきました。

各プログラムの内容については共催した経済教育ネットーワークのWebサイトをご参照ください。

また、上記に加え、東証社員からは、以下についてお伝えしました。
・「先生のための『夏休み経済教室』」について
・セミナーおよび教材のご紹介(休憩時間)
下記に簡単にご紹介いたします。

■「先生のための『夏休み経済教室』」について

長谷川 高顕(東京証券取引所 金融リテラシーサポート部長)
一昨年のセミナーでは、「新学習指導要領に向けての授業づくり」や「大学入学共通テスト(新テスト)と労働」というテーマに沿って、新学習指導要領の導入直前における、明日にでも役立つ授業提案をいただき、また、新テストの導入対策や、「働き方改革」への注目が高まる中での「経済を学ぶ、学びなおす」ことで何をどう伝えるのか、様々なプログラムを通して講師の方々にご講義をいただきました。
今年のテーマは「ポスト・コロナ時代の経済教育の進め方」で4名の専門家よりご講演いただきます。 2020年以降は誰もが予想していなかった、新型コロナウイルス感染症という事態に見舞われ、個々人の働く環境を含めた生活様式が大きく変化せざるを得ませんでした。その中でも、様々な対策の中で教育活動を続ける方々の姿に刺激をもらいつつ、弊社も金融経済の学びを引き続き提供したく、取り組んでいます。まだまだ不安が増すコロナ禍での金融経済教育は、オンラインが中心となるかもしれませんが、今後とも、東証の金融経済教育へのご協力のほど、よろしくお願いいたします。

■「東証の金融経済教育や、ご提供教材の紹介」

坂倉 有香(東京証券取引所 金融リテラシーサポート部)
昨今課題となっております金融経済教育の充実に向け、先生方に向けた経済セミナーの紹介や、東証講師によるレクチャーおよび、ボードゲーム型教材などをご提供しております。また、証券知識普及プロジェクトより提供している教材も複数ございますので、ご活用いただけましたら幸いです。

今回のセミナーに参加した先生方からは、「新学習指導要領との考え方や授業づくりをしていく上でとても参考になりました。」「教科書会社の内容比較が参考になりました。」「現場ですぐ使えそうな内容だった。」「経済教育を行う際に留意すべき基本的かつ最新の知見を得られた」とのお声を多数いただきました。

今後も、実際の教育現場において、限られた授業時間の中で効果的に金融知識を教えられるような、授業支援のためのプログラムに取組んで参ります。これから多様な生き方を選択していく子どもたちが、社会やお金について学ぶことで世の中の情報に関心を持ち、自分で決断する力を身につけてほしいと願い、今後も支援を続けて参ります。

例年冬休みに開催している東証によるセミナー開催の有無や詳細は、当サイトや、JPX(株式会社日本取引所グループ)のHPなどでご案内いたします。
今後とも弊社の金融経済教育に対する取り組みへのご理解、ご協力の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。