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活動レポート

2023.08.22   東京都     経済教室
【ハイブリット】先生のための夏休み経済教室


<先生のための「夏休み経済教室」>を今夏も開催しました。
16回目となる今年は、対面参加とオンライン参加の両方が可能なハイブリット開催と致しました。
金融教育が高校必修化になった2年目、いつも中心となってご参加いただいている金融・経済分野を教える先生方に加え、家庭科の先生にも今まで以上にご参加いただき、先生方に金融教育の機運が高まり浸透していると感じました。
2日間で、のべ約450名の方にお申込みいただきました。ご参加・ご視聴いただきました皆様、誠にありがとうございました。
ご参加・ご視聴いただいた先生方からは、「対面で受講できると理解が深まる。」と対面参加を喜ぶお声も、「育児中なのでオンライン視聴可能なのは本当にありがたいです。」とオンライン視聴を喜ぶお声もどちらも多数いただきました。今回のハイブリット開催、慶応大学の施設にて開催し、対面、オンラインともに円滑に満足度の高いセミナーを開催できたと思っております。ご尽力いただいた大学関係者、運営関係者の皆様にも感謝申し上げます。

さて、「夏休み経済教室」の内容に関してですが、
今夏のテーマは「現実と教科書のギャップを埋めて授業を考えていく」です。
今回は2019年以来の対面参加も可能な状態での開催でしたが、その間コロナ禍、それに伴う世界経済・日本経済の変貌等変化の激しい時代でした。そのような変化の激しい現実と教科書のギャップを埋めて、生徒が腑に落ちる経済の授業をどうつくりあげてゆくか。
エコノミスト、大学の先生方、そして文部科学省調査官等様々な立場の方と現場の先生とともに考えてゆくプログラムとなりました。
各プログラムの内容については共催した経済教育ネットワークのWebサイトをご覧ください。(ご登壇された先生の資料のダウンロード等も可能です。)

また、上記に加え、東証社員からは、以下についてお伝えしました。
・「先生のための『夏休み経済教室』」開催挨拶
・JPXの最新の動きと金融経済教室の取組み(JPXマネ部!ラボの新設、新市場区分他)
・東証内施設および教材動画のご紹介
下記に簡単にご紹介いたします。

■「先生のための『夏休み経済教室』」開催挨拶

鈴木 深(東京証券取引所 金融リテラシーサポート部課長)
先生のための「夏休み経済教室」は、今夏で16回目になります。
変化の激しい時代にあって、現実と教科書のギャップを埋めて、生徒の皆さんが、腑に落ちる経済の授業を、ご担当の先生方が、どうつくりあげてゆくか、ともに考えてゆくプログラムとなっております。
学校現場で、経済の授業が本格的にはじまる、この夏の時期以降、経済学で授業のレベルアップを目指そうとしている先生方、経済教育に関心のある皆様にとって、とても有意義な内容となるのではないかと考えております。
本年の5月以降、新型コロナウイルス感染症に対する規制が大幅に緩和され、社会・経済活動もおおむね、以前の日常を取り戻しつつありますが、この3年間、人々の働く環境を含めた生活様式が大きく変化したように思います。
とりわけ、学校教育の現場では、感染対策を講じた上での授業など、幅広く対応され、先生方が多大なご苦労をされたことと思います。その中で、オンラインでの授業などを取り入れて工夫されながら、生徒たちの主体性や可能性を引き出す授業を続けていらっしゃった先生方の姿に、我々も刺激を受けてきました。
現在、オンラインを併用して学校への出前授業を行い、広く全国各地の学校と繋がりができることに期待しています。そして講師の派遣だけでなく、引き続き、自走教材の提供も行っております。
今後とも、弊社の金融経済教育へのご理解、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

■JPXの最新の動きと金融経済教室の取組み(JPXマネ部!ラボの新設、新市場区分他)

鈴木 深(東京証券取引所 金融リテラシーサポート部課長)

(1)JPX について
2013 年から JPX(日本取引所)がスタート。1999年までは株式売買立会所による手サインでの取引があったが2000年以降はコンピュータによる取引に変わった。主な仕事内容としては、上場会社の審査・開示、株式の売買、清算決済などを行っている。

(2)JPX最新の動き
現物市場の機能強化に向けた取り組みとして、後場の取引時間を30分延伸する(2024年11月5日にシステム更改予定)。
証券コードへ英文字を組み込む。2024年1月1日から。

(3)最近の金融経済教育の取組みについて
JPX マネ部ラボ!の紹介。2022 年 4 月からスタート。社会人や学校教育に深く関わる組織。 社会人向けと学生向けにプログラムを用意している。講師の派遣、教師向け講座、親子経済教室などを開催している。(久々の対面開催)
中高生向けの金融クエストを開発。また株式学習ゲームリニューアル版をリリース。仮想所持金1000万円を元手に東証の上場会社から現実の株価(終値)に基づき模擬売買を行うことができるシミュレーション教材。
「18歳から始めるつみたてNISA」の教材を新たに開発(50分授業)

(4)親子経済教室からよくある質問について
①「株式の売買は何歳からできる?」②「一番高い株価は!?」③「株価はどのように決まる!?」④「証券取引所はどうして利益を得ているの!?」⑤「上場会社になるには!?」→それぞれについてスライドを使って説明。

(5)市場区分の見直し
2022 年4月よりプライム市場、スタンダード市場、グロース市場3つの市場区分に 分けられる。上場会社の業種の違いについて→ビジネスモデルの違い。情報・通信業が全体の15%を占める。

(6)大学入試問題から
日本の株式市場の株主分布について→外国法人等からの投資が1990年以降増加し、現在では3割を占めている。

(7)新教材「18歳から始めるつみたてNISAの紹介
オンラインでの説明。「投資」「株式」という言葉にアレルギー反応を起こさないようにつみたてNISAに簡単に触れて頂く教材として開発。先生方も扱いやすいように「PowerPoint」「手引書」「ワークシート」を準備している。実践したい先生がいたらご連絡を頂きたい。

(8)最近の株式市場の動き
株価が上がった業種、下がった業種 とその理由について説明。2022年一番上がったのは鉱業。物価高・原油高を背景に株価上昇。
2023年おおむね株価は上昇基調。すべての業種で株価が上がっている。一番上がっているのは鉄鋼。中国への輸出が増えるであろうということで増加。インフラ部門の建て替え需要もあり増加。
このように国際情勢が株価に影響を与えている事例を分かりやすく説明。

(9)東京証券取引所及び大阪取引所からのライブ配信
それぞれの取引所から見学コースと展示内容の紹介
東証→上場の鐘。企業が上場した初日に記念に5回鳴らす。五穀豊穣に由来
大阪→立会場は天井がガラス張りになっている。相場が青天井に上がるように
現在案内付きの見学を受け入れているので、様子をじかに見ていただきたい。

今回の経済教室にご参加・ご視聴された先生方からは、「身近な具体例から理論の理解に繋げるヒントをいただきました。」「どの先生方も素晴らしく、すぐに実践にうつせるような内容でとてもありがたかったです。」「株式など金融に関しての知識が不十分な中で、どう子どもたちに指導していけばよいか悩んでいたため、大変勉強になりました。」「東証のオンライン見学が面白かった。」などお声を多数いただきました。

今後も、実際の教育現場において、限られた授業時間の中で効果的に金融知識を教えられるような、授業支援のためのプログラムに取組んで参ります。

早速、「先生のための冬休み経済セミナー」も企画中です。
冬休み経済セミナーをはじめ、今後の東証によるセミナー開催の有無や詳細は、当サイトや、JPX(株式会社日本取引所グループ)のHPなどでご案内いたします。是非ご確認ください。
今後とも、弊社の金融経済教育に対する取り組みへのご理解、ご協力の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。