投資のリスク

投資する際に注意すべきリスクとして、概ね以下のような点が挙げられます。

発行体の信用リスク

ETNはETFと異なり裏付けとなる資産を保有せず、発行体となる金融機関の信用力を背景として発行される証券であることから、発行体の倒産や財務状況の悪化等の影響により、ETNの価格が下落する又は無価値となる可能性がありますので、こうした発行体の信用リスクについては十分に留意する必要があります。

信用リスクに対する制度上の対応

発行体の信用リスクを低減するため、東証ではETNの発行体には一定水準以上の信用力を求め、財務状況や信用格付け等について、厳格な上場審査・廃止基準を設けています。

具体的には、純資産額5,000億円以上であること、自己資本比率8%(※)を上回っていること、信用格付業者等による発行体格付がA-(マイナス)格同等以上を得ていることなどで、これらの財務基準等は、東証における上場制度上も相当厳格な基準となっています。

また、財務状況の適時開示や、財務状況が悪化した場合には、東証から上場廃止の猶予期間に該当するものとして注意喚起を行う制度を設けています。その上で、継続して財務状況の改善がみられない場合は、上場廃止とする枠組みを設けています。

発行体である金融機関が破綻した場合には、上場廃止基準に抵触することになり、一般の上場会社と同様に上場廃止となりますが、本証券については、一定ロット以上の保有者が発行体などに対して、常時、買取りや償還を請求できることから、信用リスクが高まった場合は、こうした請求権を行使することにより、信用リスクが一定範囲に限定されるものと考えられます。

  • 証券会社の場合には自己資本規制比率200%超、保険会社の場合にはソルベンシー・マージン比率が400%超であることが求められます。

価格変動リスク

対象指標の変動

ETNの連動対象である株価指数等は、様々な経済情勢等の影響を受けて価値が下落する可能性があります。これにより、ETNの価格が下落し、投資元本を割り込む可能性があります。

為替の変動

当取引所のETNは全て円建てで取引されているため、外貨建ての資産に投資する場合は、対象指標の変動要因だけでなく、現地通貨と日本円の為替変動を勘案する必要があります。
為替変動リスクや為替ヘッジについては以下のページをご参照ください。

為替ヘッジ指標

市場価格との乖離リスク

ETNは、発行体の金融機関が対象指標とETNの一証券あたりの償還価額(ETFの基準価額に相当)が連動するよう保証しており、運用に掛かる手数料分を除き、トラッキングエラーは発生しません。
しかし、市場での取引においては、ETNの市場価格は需給状況によって変動するため、ETNの一証券あたりの償還価額とETNの市場価格の値動きが一致しない場合もありますので、取引にあたっては十分ご留意ください。

流動性リスク

ETNの取引量や、注文量が少ない場合には、株価指数等の市場実勢から見込まれる価格で売買ができないことがあります。

その他のリスク

  • 上場対象は、JDR(有価証券信託受益証券)ですが、その信託財産となるETNは海外発行される証券であるため、為替の変動により損失を受けることがあります。また、発行国・地域における政治・経済情勢の変動、税制等諸制度の変更、天変地異等による償還価額の変動により、投資元本を割り込み、損失(元本損失)が生じるおそれがあります。
  • 取引所が定める上場廃止基準に該当して、上場廃止になることがあります。
  • 信託の継続が困難であると信託受託者が判断した場合、信託を終了する可能性があります。
  • ETNは、価格が特定の指標に連動することを保証する債券(指数連動債)であり、償還期日を迎えると償還されます。また、指標値の急落等、一定の条件を満たすことにより早期償還される場合があります。 詳細は、有価証券届出書等の法定開示書類にてご確認ください。