市場区分の見直しに関するフォローアップ
東京証券取引所(以下「東証」といいます)では、2023年3月31日、プライム市場及びスタンダード市場の全上場会社を対象として、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請を行いました。
また、2026年4月28日、上場会社の皆様に今後の取組みの参考としていただけるよう、これまでの要請をアップデートする形で、「経営資源の適切な配分」を中心とした投資家の期待や取組みのポイントを取りまとめました。
開示企業一覧表
対応を進めている企業の状況を投資者に周知し、企業の取組みを後押ししていく観点から、2024年1月より、要請に基づき開示している企業の一覧表の公表を開始いたしました。一覧表は、各月末時点の状況に基づき、翌月15日を目途に毎月更新いたします。
- プライム・スタンダードの上場会社を対象として、集計対象時点で直近に提出されたコーポレート・ガバナンスに関する報告書の【資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応】欄で、
・「取組みの開示(初回)」又は「取組みの開示(アップデート)」を選択している場合には「開示済」
・「検討状況の開示」を選択している場合には「検討中」(6か月間まで)
として一覧表に掲載しております。 - 一覧表の公表開始後、積極的に取り組む企業をより支援していく観点から、以下の見直しを行っています。
(2025年1月からの見直し内容)
・取組み状況に関するアップデートの開示が行われた場合、その日付の明示
・機関投資家からのコンタクトを希望する企業の明示
・「検討中」の企業への状況説明のお願いと掲載期間の設定(6か月)
(2026年1月からの見直し内容)
・コーポレート・ガバナンスに関する報告書における各企業の開示内容を掲載
「投資家への期待・要望」等に関する企業アンケート
2026年6月12日から7月24日にかけて、企業と投資家の実効的な対話の実現に向けて、上場会社の皆様を対象とした「投資家への期待・要望」等に関するアンケートを実施しました。
「取組みの進展が見られる企業」等に関する機関投資家アンケート
2026年6月12日から7月24日にかけて、国内外の機関投資家を対象として、「資本コストや株価を意識した経営」の観点から「取組みの進展が見られる企業」等に関するアンケートを実施しました。
対応のポイント・事例集
東証では、上場会社の皆様の検討の参考にしていただくため、国内外の多くの投資者との面談から得られたフィードバックに基づき、「投資者の視点を踏まえた対応のポイントと事例」を取りまとめ、2024年2月に初版を公表し、2024年11月には、新たに「投資者の目線とギャップのある事例」を追加するなどアップデートを行いました。
また、2025年12月には、新たに「課題解決に向けた企業の取組み事例」を取りまとめるとともに、「投資家の視点を踏まえた対応のポイントと事例」についても、延べ400社超の投資家との意見交換のなかで寄せられた最新(2025年)の事例や声を反映し、アップデートを行いました。
- 最新版(2025年12月26日公表)
- (参考)2024年11月21日公表版
要請の趣旨
- 上場会社の皆様に、資本コストや株価を意識した経営を実践していただく観点から、まずは自社の資本コストや資本収益性を的確に把握し、その内容や市場評価に関して、取締役会で現状を分析・評価したうえで、改善に向けた計画を策定・開示し、その後も投資者との対話の中で取組みをアップデートしていく、といった一連の対応を継続的に実施していただくことをお願いするものです。(対象はプライム市場・スタンダード市場の全上場会社です。)
- 実施にあたっては、取締役会が定める経営の基本方針に基づき、経営層が主体となり、資本コストや資本収益性を十分に意識したうえで、持続的な成長の実現に向けた知財・無形資産創出につながる研究開発投資・人的資本への投資や設備投資、事業ポートフォリオの見直し等の取組みを推進することで、経営資源の適切な配分を実現していくことが期待されます。
- なお、資本収益性の向上に向け、バランスシートが効果的に価値創造に寄与する内容となっているかを分析した結果、自社株買いや増配が有効な手段と考えられる場合もありますが、自社株買いや増配のみの対応や、一過性の対応を期待するものではなく、継続して資本コストを上回る資本収益性を達成し、持続的な成長を果たすための抜本的な取組みを期待するものです。
Investor's Voice
「Investor's Voice」は、日本の株式市場や国内外の機関投資家への理解を深めることを目的として、東京証券取引所と機関投資家との対談を収録したシリーズ動画です。今後、以下のページに動画を順次追加していきます。
座談会 ~なぜ株主・投資家の目線を踏まえた経営が求められるのか~
今般の要請に関連して、「なぜ株主・投資家の目線を踏まえた経営が求められるのか」をテーマに、学識経験者、投資家、上場会社の皆様による座談会を実施いたしました。
参加者
スピーカー
神田 秀樹 氏 東京大学名誉教授
勝木 敦志 氏 アサヒグループホールディングス株式会社 代表取締役社長 兼 CEO
中神 康議 氏 みさき投資株式会社 代表取締役社長
山道 裕己 株式会社日本取引所グループ 取締役 兼 代表執行役グループCEO
モデレーター
藤田 和明 氏 株式会社日本経済新聞社 上級論説委員兼編集委員