プレスリリース
デジタルアセット分野におけるJSCC-DTCCの実証実験について <「DTCC Digital Launchpad」環境を活用した担保の実証実験>
2024年10月16日
DLT/ブロックチェーンの新技術分野を長年グローバルでリードしてきたDTCC(Depository Trust & Clearing Corporation。世界最大の米国の清算・決済機関)とJSCC(日本証券クリアリング機構)は、デジタルアセットによる担保ユースケースの実証実験を協働して実施し、DTCCの以下サイトからその概要を公表しました。
- DTCCからのアナウンスメント
DTCCが提供するDLT環境「DTCC Digital Launchpad」のインフラとオープンソースソフトウェア(OSS)を最大限に活用し、JSCCは業界横断・商品横断の担保エコシステムをデザイン及び開発する実証実験を行いました。
将来、伝統的な金融商品においてもトークナイゼーション化が拡大し、グローバルの金融ポストトレード分野において革新的な変化が起こることを想像した場合に、どのように新たな価値が生み出されるのか、これまで越えられなかった課題がどう解決されるのか、グローバルにハーモナイズされたエコシステムはどうあるべきか、これらを探るための中長期視点の実証実験です。
清算機関(CCP)は、リスクを集中的に管理しマーケットの頑健性に貢献する性質上、最大級の担保の“受け手”であることから、デジタルアセットによる担保スキームの効率化やオプティマイズ化の可能性/潜在性を探るべきであり、また、それらは分断ではなくグローバルで標準化され、インターオペラブルであることが求められます。そのような背景の下、世界各国の金融市場インフラ(FMI)同士が連携して未来志向の実証実験を行うことに意義があると考えます。
今後の検証領域として、クロスボーダーの異なるネットワーク間でそれぞれ発行されたデジタルアセット同士の担保交換(インターオペラブルなアトミックスワップ)や、担保預託中のデジタルアセットのライフサイクルイベント処理(債券の利払いや株式の配当授受の高度化)などのユースケースを検討しております。
JSCCのDLT関連の取組み
・2017年~ DLT(分散型台帳技術)の清算・決済関連業務への活用検討を開始
・2023年1月 DLTの本番システム稼働(ゴム先物取引の受渡決済業務プラットフォーム)
→現在第2フェーズとして貴金属の受渡決済業務への拡大を準備中
- 清算機関におけるブロックチェーン技術の活用について~第一弾としてゴム先物取引の受渡決済に実装~
・2023年10月 Hyperledger Foundation(※)(DLT周辺のオープンソースコミュニティ)への加入
- 「Hyperledger Foundation」への加入について~
・2024年3月 Hyperledger Besu Financial Services Working Groupへ参加
- 「Hyperledger Besu Financial Services Working Group」創設メンバーへの参画について
※ 2024年9月にLF Decentralized Trustに改称
【本件に関するお問合せ先】
株式会社 日本証券クリアリング機構
清算IT戦略部
TEL:03-3665-1234(代表)