受渡制度

受渡制度

現物先物取引では、当月限の建玉について取引最終日(または納会日。以下、早受渡しを除き同じ。)の日中立会終了までに差金決済を行わず、売り・買いの建玉を保有した場合、現物の受渡しを行うことになります。この受渡しを「基本受渡し」といい、この他に受渡しに柔軟性を持たせた制度として「早受渡し」、「申告受渡制度」、「受渡条件調整制度」及び「ADP制度」があります。
また、限日現金決済先物取引(金限日先物及び白金限日先物)の決済の特例として「希望受渡制度」があります。

基本受渡し

取引最終日までに決済しなかった建玉について、渡し方(売り建玉を有する者)は受渡書類を、買い方(買い建玉を有する者)は受渡代金を日本証券クリアリング機構(JSCC)に差し入れて決済します。このときの受渡条件は、あらかじめ定められた条件となります。

早受渡し

取引最終日以前に、当月限の建玉を有する取引参加者が受渡しで建玉を決済することです。早受渡しを希望する取引参加者は取引所に申し出て、これに応諾があれば早受渡しは成立します。

申告受渡制度

取引最終日以前に、当月限の建玉を有する渡方参加者と受方参加者が受渡条件について合意し、取引所に申し出ることで、基本受渡しよりも柔軟な受渡条件(受渡場所等)で受渡しを行うことができる制度です。

受渡条件調整制度

当月限の取引最終日以後に、当月限の建玉を有する渡方参加者と受方参加者が受渡条件について合意し、これを取引所に申し出ることで、基本受渡しより柔軟な受渡条件(受渡場所等)で受渡しを行うことができる制度です。

ADP制度

当月限の取引最終日以後に、当月限の建玉を有する渡方参加者と受方参加者が受渡条件について合意し、これを取引所に申し出ることで、受渡しが行われたものとみなす制度です。ADP(Alternative Delivery Procedure)の決済は他の受渡しと異なり、JSCCを介しません。

希望受渡制度

売建玉を有する取引参加者と買建玉を有する取引参加者が合意し、取引所が認めた場合には、受渡しによる決済を行うことができる制度です。

対象商品

  基本受渡し 早受渡し 申告受渡制度 受渡条件調整制度 ADP制度 希望受渡制度
金標準先物 ×
銀先物 ×
白金標準先物 ×
パラジウム先物 ×
金限日先物 × × × × ×
白金限日先物 × × × × ×
ゴム(RSS3)先物 ×
ゴム(TSR20)先物 × ×
とうもろこし先物 × × ×
一般大豆先物 ×
小豆先物 × × ×
ガソリン先物 × ×
灯油先物 × ×
軽油先物 × ×
中京ガソリン先物 × ×
中京灯油先物 × ×

参考