商品先物取引について

リスクヘッジ

私たちの生活に欠かせない石油、貴金属、ゴムなどの原材料品やとうもろこしなどの農産物は、需給バランスのみならず、政治・経済の情勢や気象条件などにより価格が変動します。この価格変動は、これらの商品を扱う企業の収益に大きな影響を与えています。例えば、流通業者は商品の販売価格が仕入価格よりも下がるリスクを常に抱えています。こうした価格変動リスクの影響を排除する手段の一つとして利用されるのが商品先物取引です。

資金運用手段

商品先物取引は、想定元本の数分の1から数十分の1の水準の証拠金を取引の担保として預け入れれば取引が可能です。差金を決済することによって取引を終了できることから、多くの投資家が資金運用手段として利用しています。
また、他の金融商品と組み合わせることで、効率的な投資効果が望めるため、ポートフォリオの一部として注目が高まっています。

スペキュレーション

相場の動きを予想してポジションを取り、予想どおりの方向に動いたときに、反対売買を行って利益を確定することができます。「単純取引」とも言われる最も基本的な売買手法です。
スペキュレーションを行う投資家は、多様な投資判断で参加していることで、市場における価格発見機能を向上させたり、リスクを取り投資をしていることで、リスクヘッジを行おうとする投資家のリスクの移転先となるなど、重要な役割を果たしています。

裁定取引(アービトラージ)

値動きの相関性が高い商品間で、割高なものを売り割安なものを買うという2つの取引を同時に行う取引です。その後、割高なものが値下がりするか、割安なものが値上がりして正常(適正)な価格差に戻ったらそれぞれを反対売買して利益を確定します。
裁定取引が活発に行われることにより、原資産と先物取引との価格の歪みが是正され、適正な先物価格が維持されるとともに、市場に流動性が供給されることになります。裁定取引は、市場参加者に適正な価格で、いつでも売買ができる環境を作るという、役割を果たしています。