プレスリリース
Tradeweb SEF/MTFとの直接接続を開始し、円金利スワップ清算におけるSTP(Straight Through Processing)を革新します
2025年3月24日
日本証券クリアリング機構(JSCC)は、当社システムとグローバルな取引執行プラットフォームであるTradeweb SEF/MTF*1との直接接続を確立したことをお知らせいたします。この接続により、Tradeweb SEF/MTFでの円金利スワップが執行された後、アファメーション(承認)プロセスなしで当社の清算サービスにシームレスにアクセスできるようになります。
昨今の円金利市場における金融政策の変化を受け、当社における円金利スワップの月間清算金額は、2024年12月には1,000兆円の節目を超え、1,060兆円(往復、以下同じ。)に達しました。さらに、2024年の年間清算金額は8,272兆円に達し、2023年当時の過去最高の年間清算金額である4,025兆円を大幅に上回り、過去最高を更新しました。これらの顕著な結果は、Tradeweb SEF/MTFにおいてスワップ取引を執行する、海外のバイサイドも含めた広範なユーザー層から、当社における円金利スワップ清算サービスへのニーズが高まっていることを明確に示しています。
ヘッジファンドや銀行を含めた海外のユーザーから、SEF/MTFで執行される円金利スワップ取引の清算ニーズの高まりに応えるべく、当社は、2023年9月にTake-upプロセスを廃止するなど、円金利スワップ清算におけるSTPを継続的に強化してきました。この度の当社とTradeweb SEF/MTFの直接接続により、円金利スワップの取引執行から清算までのSTPは革新的に進化し、当社における円金利スワップ清算サービスの効率性と信頼性が大幅に向上します。
当社代表取締役社長である小沼泰之は、「この度のTradewebとの協働は、円金利スワップ市場の利便性と効率性を強化するものであると確信しています。取引の電子執行及びSTPに対するニーズが高まる中、当社は、清算サービスの継続的な改善と革新への取り組みを続け、日本のデリバティブ市場の更なる発展に貢献してまいります。これにより、金利スワップのユーザーは、最も流動性の高い日本円金利スワップ市場において、取引執行から清算まで、制約なしに行うことができるようになります。」とコメントしています。
*1 SEF: Swap Execution Facility under U.S. regulation
MTF: Multilateral Trading Facility under EU and UK regulations
*2 2025年1月6日付当社プレスリリース: 金利スワップ取引(IRS)の月間及び年間清算金額が過去最高を更新
JSCCについて
JSCCは、2003年1月、日本初となる有価証券債務引受業(現在の金融商品債務引受業)の免許を取得し、取引所における現物取引の清算サービスの提供を開始しました。JSCCの誕生により、従前は各証券取引所で行われていた清算業務が統合され、証券市場におけるポストトレーディングの効率性と利便性が大きく向上しました。JSCCはその後も業務範囲を拡大し、今では現物取引や上場株価指数先物、上場商品先物に加えて、CDSやIRSなどのOTCデリバティブ、また店頭国債取引の売買やレポ取引の清算業務も手掛けています。