北浜博士のデリバティブ教室

先物価格と現物価格、満期

北浜博士 このチャートを見てほしい。青い線が先物価格、赤い線が現物価格じゃ。
中之島さん あら、よく似てるわ。
北浜博士 7月の時点で、秋に獲れるお米の値段が先物価格、すでに昨年収穫を終えたお米の値段が現物価格じゃ。
もちろん、別々の取引じゃから違いはあるのじゃが、今年不作になりそうだとなればこれから秋に獲れるお米の値段、つまり先物価格は当然上がるし、すでに昨年収穫を終えたお米、つまり現物の値段も上がるんじゃ。今年の秋の獲れ高を見越して値段が変わるという意味では、先物価格も現物価格も値動きは良く似てるんじゃな。
そして、先物の価格は、10月の期限を迎えると収穫したお米の値段、つまり現物の値段と同じなり、次の年の現物価格に切り替わる、というわけじゃな。
中之島さん へー。「満期日」には現物価格になるからこそ、みんな安心して先物を取引できたのね。
北浜博士 実は、この仕組みは今の先物取引にも引き継がれておる。
中之島さん 江戸時代の仕組みが、今の先物取引にも使われているなんて!