北浜博士のデリバティブ教室

Q7 先物を買うのとオプションを買うのとは何が違うの?

中之島さん これから相場が上昇すると予想した時、先物取引であれば買って、オプション取引であれば買う権利であるコールを買うのが良いと思うんだけど、違いってあるのかしら?
北浜博士 随分理解してきたようじゃな。思惑通り上昇した場合は、「先物買い」も「コール買い」もどちらも同じような利益が見込めると言えるんじゃが、買う約束をしてしまうのと、買う権利を買うのとで多少違いがあるんじゃ。
中之島さん そうか!オプション取引の場合は、権利を先に買っているから、その分先物取引に比べて先に出費が発生しているわね?
北浜博士 そうなんじゃ。じゃから、オプション取引の方が、オプションの購入代金(プレミアム)分だけ利益が減ることになるんじゃ。
じゃぁ、思惑に反して下落した場合はどういう違いがあるじゃろ?
中之島さん その場合、オプションの方は権利放棄をすることができるから損失が限定できるのね。
北浜博士 ご名答。「先物買い」は原資産価格の下落に応じて損失が拡大してしまうが、「コール買い」は権利放棄ができるから損失がプレミアムに限定されるということじゃな。
中之島さん やったわ、なんかわかってきたみたい。
北浜博士 それからもう1つ、買う時に用意しないといけない資金にも違いがあるぞ。
中之島さん あぁ確か予約金みたいなのが要るって…?
北浜博士 そう、「先物買い」では損失が拡大する恐れがあるので、担保として「証拠金」というものを差し入れる必要があるんじゃ。一方、「コール買い」は最初に支払ったプレミアム以上の損失がでることはないので、証拠金は必要ないんじゃよ。
中之島さん なるほど。ちゃんとルールを把握してから取引しないと、どっちでもいいっていう訳ではないのね。
北浜博士 証拠金については、Q9で詳しく解説しよう。