SDGsへの取組み

持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、国際連合(UN)が作成する、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す17の国際目標です。JPXは市場運営会社及び事業会社として、このうち、主に以下のゴールに向けて取り組んでいます。

05 目標5 ジェンダー平等を達成し、すべての女性および女児の能力強化を行う
関連ターゲット:5.5 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。

JPXは、東京証券取引所に上場する会社における女性活躍を推進しています。コーポレートガバナンス・コードでは、取締役会及び中核人材の登用等における多様性の確保を原則に掲げ、方針等の開示を含むベストプラクティスも示し、全上場会社に検討を求めています。また、経済産業省と共に、女性が働き続けるための環境整備を含め、女性の活用を積極的に進めている企業を「なでしこ銘柄」として紹介し、上場会社各社における取組みを促しています。
JPX社内でも、性別、国籍、年齢などにかかわらず、多様な人材が活躍できるよう、人事部内に「ダイバーシティ推進グループ」を設置し、各種取組みを実施しています。また、女性活躍行動計画を策定し、女性の能力を最大限発揮することができる職場環境を目指しています。
07 目標7 すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
関連ターゲット:
・7.2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
・7a 2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。

東京証券取引所は、再生可能エネルギー発電施設などのインフラ施設を投資対象とするインフラファンドが上場する市場を提供しています。これにより、個人投資家を含む投資家に再生可能エネルギー発電設備への投資機会を提供するほか、資金調達支援を通じてインフラファンドによるさらなる再生可能エネルギー発電設備への投資を促進するなど、再生可能エネルギーの普及促進に貢献しています。
また、JPXは、自ら再生可能エネルギーを創出しています。農地における営農と発電を両立する太陽光発電設備、廃食用油を燃料とするバイオマス発電設備等を取得するなど、主に休耕地・耕作放棄地における発電や二次資源(リサイクル原料)を燃料に再生可能エネルギーを発電することを通じて、脱炭素社会・循環型社会に貢献していきます。さらに、2030年に向けては、ESGに関する長期目標として「証券市場の運営(バリューチェーン)に係るカーボン・ニュートラル」を掲げ、取組みを進めています。
08 目標8 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
関連ターゲット:8.3 生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成長を奨励する。

JPXは、企業の資金調達と国民の資産形成を支える中核的インフラとして、日本経済の持続可能な成長への貢献を目指しています。コーポレートガバナンス・コード等を通じた上場会社の中長期的な企業価値向上の促進や、グロース市場の整備等の成長企業への資金供給機能の強化など、企業の持続的成長を支援する環境を整え、イノベーション・成長を支援しています。
また、その果実が国民の資産形成へ繋がり次のイノベーション・成長へと循環するため、市場インフラとしての利便性・レジリエンスの更なる向上や、資産形成に資する商品・制度の発展など、市場環境の整備にも取り組んでいます。
10 目標10 各国内及び各国間の不平等を是正する
関連ターゲット:10.5 世界金融市場と金融機関に対する規制とモニタリングを改善し、こうした規制の実施を強化する

日本取引所自主規制法人では、JPXが運営する市場における取引の公正性や投資者の保護を図るため、自主規制に係る業務を通じて市場の公正性・透明性及び信頼性を確保しています。国際間の不平等に対しても、海外の自主規制機関が加盟する市場間監視グループに参加するなど、市場監視分野の情報交換・連携強化に努めています。
また、独立行政法人国際協力機構(JICA)からの委託に基づき、途上国の証券取引所職員等を研修員として受け入れ、取引所業務に関する包括的な研修プログラムを提供することで、各国証券市場における取引関連の制度整備や自主規制業務の能力向上に寄与しています。
12 目標12 持続可能な生産消費形態を確保する
関連ターゲット:12.6 特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。

JPXは、東京証券取引所に上場する会社に対し、サステナビリティに関する取組み及び情報開示を促進しています。コーポレートガバナンス・コードでは、「サステナビリティを巡る課題について、適切に対応を行うべき」との原則を掲げ、プライム市場の上場会社には、情報開示の充実の観点から、「TCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく気候関連情報開示の質と量の充実」をベストプラクティスとして検討を求めています。また、上場会社への実践書やウェブサイト等ツールの提供を通じて、サステナビリティ課題への理解と適切な対応を支援しています。
13 目標13 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
関連ターゲット:
・13.1 全ての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応の能力を強化する。
・13.2 気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。
・13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。

JPXは、日本におけるカーボン・ニュートラル実現に向け、市場運営者として、事業会社として、グリーン戦略を推進していきます。市場メカニズムを活用したサステナビリティの推進に加え、JPX自身のカーボン・ニュートラルの実現、2030年に向けた、証券市場の運営に係るカーボン・ニュートラルの実現を目指しています。
また、経済産業省「GXリーグ基本構造」に賛同し、日本政府の推進するカーボン・プライシングの一環としてカーボンクレジット市場創設に向けて協力しているほか、脱炭素社会の実現に貢献する高い技術・潜在力を有する企業の取組みにESG投資資金が活用されるよう、情報発信の強化に努め、市場機能を最大限発揮できる環境整備を目指しています。
17 目標17 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
関連ターゲット:
・17.14 持続可能な開発のための政策の一貫性を強化する。
・17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する。

JPXは国内外の様々な関係者と協力し、サステナビリティを推進しています。国内では、金融面から持続可能な開発を支援すべく、金融審議会ワーキンググループやサステナブルファイナンス有識者会議等の関係省庁等における会合に参加するほか、海外では、World Federation of ExchangesやSustainable Stock Exchanges Initiative等に参加するなど、積極的に情報発信をしています。