JPXからのお知らせ

2023/01/30 JPXOSEJSCC 清算機関におけるブロックチェーン技術の活用について 〜第一弾としてゴム先物取引の受渡決済に実装〜

 

株式会社日本取引所グループの清算機関である株式会社日本証券クリアリング機構では、ブロックチェーン技術の活用の第一弾として、関係者の皆様のご協力により、この1月から、下記のとおり、ゴム先物取引の受渡決済に実装することとしましたので、お知らせします。

対象

  • 株式会社大阪取引所におけるゴム(RSS3)先物取引(注)の受渡決済
  • 国際機関や生産国の公的機関により格付けされたもっとも標準的なRSS(くん煙シート)3号に該当する天然ゴムを対象とした先物取引

活用の内容

  • 現状、ゴム先物取引の受渡決済は、ゴムの引渡しを受けることができる荷渡指図書と呼ばれる書面を授受する方式で行われていますが、今後はブロックチェーン技術により荷渡指図書の情報を記録したトークンをオンラインで授受して行う方式に移行します。
 

参考:コモディティ・デリバティブ商品別受渡実績(受渡決済1回あたりの平均、百万円)

開始時期・利用社数

  • 2023年1月限月受渡分から(受渡決済期日 2023年1月31日(火))
  • ゴムの受渡決済の売方・買方となる清算参加者、顧客、受渡対象のゴムを保管する倉庫業者 計13社が利用予定。

期待される効果

  • これまでゴムの受渡決済が行われる都度、売方・買方・倉庫会社の間で行われていた荷渡指図書の作成・輸送等が不要となり、オンラインで受渡決済が完了するため、受渡決済の効率化が進みます。

今後の見通し

貴金属への対象の拡大

  • ゴムよりも流動性の高い金・銀・白金などの貴金属の先物取引の受渡決済は、倉荷証券と呼ばれる有価証券を授受する方式で行われています。
  • 倉荷証券は荷渡指図書と異なり、有価証券として各種取引の担保にも利用されており、その電子化については、法制審議会において議論が行われる見込みであることから、状況を注視しつつ、次なるトークン化の対象として検討を行います。

さらなる決済効率の向上と将来への対応力強化

  • ブロックチェーン技術を活用した資産のトークン化は、流動性の低い不動産や債券などの小口化証券において既に実現されています。
  • 今回は取引所取引分野における本邦初の試みとしてトークンを活用することとしましたが、日本証券クリアリング機構では、今後、より流動性の高い取引所取引や店頭取引の清算・決済分野においてもこうした新技術の活用が拡大していく可能性を視野に入れ、新技術の実用化を通じ決済効率の向上と将来への対応力強化を進めてまいります。
清算機関におけるブロックチェーン技術の活用について
〜第一弾としてゴム先物取引の受渡決済に実装〜
PDF
 

お問合せ

株式会社日本証券クリアリング機構 清算企画部
電話:03-3665-1234(代表)