JPXからのお知らせ
2025/01/06 JPX 年頭ご挨拶

明けましておめでとうございます。
年頭にあたり、皆様のご健勝を心よりお祝い申し上げますと共に、本年も一層のご活躍をお祈りいたします。
新NISAがスタートしてから、ちょうど1年が経ちました。日本経済がインフレに向かって動きはじめ、個人の投資に対する意識や関心が高まるなかで、長年の悲願である「貯蓄から投資へ」の流れが大きく進んできていることを感じております。
我々、JPXといたしましても、こうした流れを後押しすべく、皆様がより投資しやすい環境の整備に取り組んでおります。昨年は「少額投資の在り方に関する勉強会」を設置して、その実現に向けた課題や方策等について検討をはじめたほか、11月には取引時間の延伸やクロージング・オークションの導入により取引機会の拡大と終値の透明性向上に取り組みました。
また、2023年3月の「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等」の要請については、多くの企業で開示が始まるなど、前向きな取組みが進んでいることについて、国内外の投資家からポジティブな評価をいただいています。しかし、改革はまだ始まったばかりです。我々が目指すのは、上場企業が資本コストや株価を意識して中長期的な企業価値向上に取り組むことが「当たり前」となるマーケットであります。本年も引き続き、国内外の投資家にとって日本市場がより魅力的な市場となるよう、上場企業への働きかけや市場環境の整備などを推し進めて行きたいと考えています。
最後に、本年のマーケットについて、お話させていただきます。
市場を取り巻く環境を見渡すと、さまざまなリスク要因が存在しておりますが、特に、トランプ政権の今後の政策動向には注目しているところです。そのほか、「ウクライナ、中東、東アジア情勢をはじめとする地政学リスク」、「中国経済の不透明感」、「各国の金融政策の動向とその影響」、「日本企業の業績動向」などには注視が必要です。
一方で、継続的な物価上昇と賃上げ機運の高まりの中、30年近く続いたデフレ経済からの脱却が見られるなど、日本経済は重要な分岐点を迎えています。また、コーポレートガバナンス改革、資産運用業の高度化、新NISA、スタートアップ育成5か年計画など、政府が取り組まれる日本経済や金融資本市場の更なる発展に向けた施策に対しては、引き続き国内外の投資家からも好意的な声が寄せられています。併せて、企業業績も全体としては引き続き堅調なことや、一連のコーポレートガバナンス改革や上場企業の持続的な成長を支える取組みなどへの関心の高さも継続しています。
こうした点を踏まえ、本年の株式市場は、堅調な相場展開を期待しているという声が多いと感じております。
本年の干支は巳です。
相場の格言では「辰巳天井」と言われていますが、ヘビは脱皮を繰り返しながら変化成長を遂げます。今年は、昨年からまた一皮剝けて成長したマーケットとなることを期待したいと思います。
皆様にとって、そして我が国金融・資本市場にとって、本年がより良き1年になることを祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
取締役兼代表執行役グループCEO
山道 裕己
お問合せ
株式会社日本取引所グループ 広報・IR部
電話:03-3666-1361(代表)