JPXからのお知らせ

2022/08/15 JPX総研 「グリーン・デジタル・トラック・ボンド」におけるグリーン性指標を可視化するウェブサイトの提供開始及びデジタル債の活用に向けた研究会の発足のお知らせ

 

グリーン性指標を可視化するウェブサイト「グリーン・トラッキング・ハブ」の提供開始

JPX総研は、日本取引所グループ(JPX)が6月に発行した第1回無担保社債(社債間限定同順位特約及び譲渡制限付)(グリーン・デジタル・トラック・ボンド)について、そのグリーン性指標をタイムリーに可視化するウェブサイト「グリーン・トラッキング・ハブ」について、本日から提供を開始することとしましたのでお知らせいたします。一般向け公表となりますので、投資家を含むどなたでも閲覧いただけます。

グリーン・トラッキング・ハブは、JPXがグリーン・デジタル・トラック・ボンドにて調達した資金を充当したグリーン発電設備における発電量及び当該グリーン発電にかかる対化石燃料比でのCO2削減量を、タイムリーに投資家に提供することを目的としています。

これまで投資家は、資金を投じたグリーンボンドのグリーン性指標を確認するためには、グリーンボンドの発行会社が公表する年次レポート等をひとつひとつ確認する必要がありました。そのため投資家にとってグリーン投資の効果をタイムリーに把握することは難しく、またレポート等からのデータ収集は煩雑で時間のかかる作業でした。

グリーン・トラッキング・ハブはグリーン性指標を収集する投資家を手助けします。投資家はグリーン・トラッキング・ハブにアクセスするだけで、画面上でタイムリーなグリーン性指標を確認し、日次や月次といった好みの形でデータをダウンロードすることができます。このほか、グリーンボンドの資金使途や、プロジェクトに関連する施設の位置情報も閲覧可能です。今後、グリーン・デジタル・トラック・ボンドの発行会社が増えれば、投資家は自身のグリーン投資の投資先を一覧で表示・管理でき、必要なデータを一つの場所で取得することが可能となります。

これらの取得したデータは、発行会社がグリーンレポートを作成する際にも役立ちます。発行会社は煩雑なデータ収集作業から解放され、グリーンボンド発行後の管理の負荷を大きく下げることができます。

グリーン・トラッキング・ハブURL

 
https://jpx-trackbond.com/icon-block
 

グリーン・トラッキング・ハブ 画面イメージ

グリーン・デジタル・トラック・ボンドのスキーム概要

デジタル環境債の活用に向けた研究会の発足

また、JPX総研は、今秋を目途として、グリーン・デジタル・トラック・ボンドの活用方法の検討を目的とした研究会を発足することとしましたので、お知らせいたします。

本研究会においては、グリーン・トラッキング・ハブの機能や、セキュリティ・トークンを利用したグリーンボンド等環境債の発行にかかる理解を深め、グリーンボンド投資やセキュリティ・トークンにかかる税制・オペレーションなど各種課題や発電所以外への計測対象の拡大、サステナビリティリンクボンド、トランジションボンドへの拡大検討などに対する議論を行うことで、参加者の皆様とともにグリーン・デジタル・トラック・ボンドの可能性を探求し、グリーン投資の透明性の向上に努めます。

本研究会は、グリーンボンド等環境債の発行・投資実績がある、あるいは検討中の投資家、社債発行会社、金融機関、システムベンダ等で構成する予定です。また、参加者における議論につきましては、報告書を作成し、公表することを予定しています。研究会は今秋から来春にかけて開催いたします。

 

グリーン・デジタル・トラック・ボンドの取り組みについて月刊資本市場への寄稿

またJPX総研は、「グリーン・デジタル・トラック・ボンド」について、月間資本市場(2022年8月号)に寄稿しました。
本稿では「グリーン・デジタル・トラック・ボンド」の取り組みの内容と、今後の発展の可能性及び課題について紹介しています。

グリーン投資を可視化する
「グリーン・デジタル・トラック・ボンド」の取り組み
PDF
 

JPX総研は、本スキームの利便性を向上させることで、今後、多くの発行体・投資家の皆様にご利用いただくことを目指しております。研究会・本スキームにご興味のある発行体、投資家、及び金融機関の皆様は、以下問合せ先までご連絡ください。

 
(参考)2022年4月15日付リリース「国内初のデジタルな仕組みを用いた環境債「ホールセール向けグリーン・デジタル・トラック・ボンド」の発行に関する協業について」
 

お問合せ

株式会社JPX総研 フロンティア戦略部
電話:03-3666-1361(代表)
E-mail:jpx-fintech@jpx.co.jp