北浜博士のデリバティブ教室

Q5 オプションの仕組みは、「保険」と似ているの?

中之島さん オプションの仕組みは、「保険」と似ているって聞いたけど、どういうこと?
北浜博士 オプションの買い手は、自動車保険の加入者と似た立場なんじゃ。
加入者(オプションの買い手)は一定の保険料(オプション料(プレミアム))を支払い、もし事故等が起きた場合には保険金を保険会社から受け取ることができるんじゃ。これによって大切な車(資産)を修理できるじゃろ。逆に、事故等が起きなかった場合は、支払った保険料は、掛け捨てになるんじゃ。
中之島さん 事故が起こったらお金を受け取ることができるけど、事故が起こらなかったら払ったお金は返ってこないということね。
北浜博士 そういうことじゃ。下の図は、オプションの買い手の立場を保険加入者の立場になぞらえてイメージしやすくしたので、参考にしてみてほしい。
一方で、オプションの売り手は、自動車保険の保険会社と似た立場なんじゃ。保険会社(オプションの売り手)は一定の保険料(オプション料(プレミアム))を受取り、もし事故等が起きた場合には修理代を加入者に支払うんじゃ。逆に、事故等が起きなかった場合は、受け取った保険料が利益になるんじゃよ。
中之島さん 保険会社は事故が起こったらお金を払わないといけなくなるけど、事故が起こらなかったら最初に受け取ったお金が儲けになるということね。
北浜博士 その通りじゃ。

 

オプションの買い手(加入者)の立場にあてはめると・・・

 

※1 保険料
オプションは、将来ある株を購入する予定の投資家が、今後の株価の上昇に備えて、当初決めておいた株価で買うことができる保険に入るようなものです。オプションの買い手は保険の加入者に相当し、オプション料(プレミアム)が支払う保険料に相当します。

※2 事故が起きたら
オプションの買い手(加入者)は、将来買う予定の株の値段がどんなに上がった場合でも、将来買う予定の株を当初決めた価格で買うことができます。それによって、株価上昇の損失(事故)を回避できます。

※3 事故が起きなかったら
将来買う予定の株の値段が上がらなかった場合、株価上昇の損失(事故)は発生しないので、万が一のためのオプションは不要となり、支払ったオプション料(プレミアム)が損失(掛け捨て)となります。