ESG評価機関等の紹介

Sustainalytics

ESGリスクレーティング

以下の内容は2020年11月時点のものです。最新の情報については、弊社ウェブサイトをご確認下さい。

参考:Sustainalyticsのウェブサイトicon-block

Sustainalyticsとは

米国モーニングスターグループの一員であるサステイナリティクスは、25年以上にわたり、世界中の投資家による責任投資戦略の開発と実践をサポートしてきたESG調査・レーティング・データ提供のリーディングカンパニーです。40を超える産業分類において分野横断的な専門知識を持つ200名以上のアナリストを有しており、日本を含む世界16拠点において、数百社におよぶ世界有数の資産運用会社や年金基金と提携しています。


図表1:サステイナリティクス概要

図表1:サステイナリティクス概要

Source : Sustainalytics


図表2:サステイナリティクスのプロダクト&サービス

図表2:サステイナリティクスのプロダクト&サービス

Source : Sustainalytics

 


図表3:サステイナリティクスの主要プロダクトにおける調査対象企業カバレッジ(2020年11月時点)

図表3:サステイナリティクスの主要プロダクトにおける調査対象企業カバレッジ(2020年11月時点)

Source : Sustainalytics

ESGリスクレーティングの評価方法・メソドロジーの全体構造と主要スケジュール

サステイナリティクスの基幹プロダクトであるESG リスクレーティングは、機関投資家が財務的に重要(マテリアル)なESG リスクを個別銘柄/ポートフォリオレベルで特定・理解することを支援するために設計されました。世界の主要インデックスを含む12,000銘柄以上をカバーし、異業種間での比較を可能とする絶対値スコアに基づくレーティングを採用したことで、機関投資家による多様なESG評価ニーズ(ESG Integration、Best-in-Class Analysis、Screening & Benchmarking、Thematic Investing、Engagement & Voting)に対応することを実現しています。


図表4:ESGリスクレーティングレポートの特徴

図表4:ESGリスクレーティングレポートの特徴

Source : Sustainalytics

ESGリスクレーティングの開示

  • サステイナリティクスのESGリスクレーティングは、クライアント投資家向けのESG評価情報・分析ツール提供プラットフォームである Global Access、米国モーニングスター社が金融機関や機関投資家向けに提供しているMorningstar Direct、その他第三者投資情報提供ベンダーのプラットフォーム等を通じて、幅広く金融プロフェッショナルに活用されています。
Global Accessicon-block
Morningstar Directicon-block
  • また、一部企業のハイレベル評価情報・レーティングについては、下記の弊社ウェブサイトにおいて一般に公開されています。
ESGリスクレーティングの一般開示用サステイナリティクス ウェブサイトicon-block
 
ESGリスクレーティングの一般開示用サステイナリティクス ウェブサイト

Source : Sustainalytics

リスクレーティングリサーチプロセス

発行体のESGリスクレーティングは、サステイナリティクスのリサーチアナリストによる年次のリサーチプロセス(以下)を通じて更新されます。最新の情報については、下記の弊社ウェブサイトをご確認ください。

INFORMATION FOR CORPORATE ISSUERS icon-block
  1. 情報ソースのレビュー 企業による発行物、および規制当局等への提出書類(例:アニュアルレポート、サステナビリティレポート)
    • ニュース、その他メディアからの情報
    • NGO発行のレポート/ウェブサイト
    • マルチセクターの情報ソース
    • 企業各社からのフィードバック
  2. 各マネジメント評価指標の評価(ESG 企業不祥事評価のレビューを含む)
  3. ドラフトESGレポートに対する発行体からのフィードバックを検討・処理
  4. レポート品質維持を目的とした内部レビュー(担当セクターチーム内のピアレビュー/マネジャーレビュー、非整合的運用の自動校正等)

発行体データの収集

アナリストは必要となる発行体データを企業や規制当局のウェブサイト、または発行体との直接的コミュニケーションを通じて収集します。

メディア及びNGO による情報のレビュー

企業関連ニュースの収集・スクリーニングは日々行われ、ESG関連の企業不祥事は通常48時間以内にプロセスされます。サステイナリティクスでは、顧客投資家に対し評価対象ユニバースにおけるESGリスク状況を継続的に情報提供するため、終始一貫した、安定的かつ適時の不祥事評価を可能とする評価手法フレームワークを構築しています。
また、サステイナリティクスでは、特に信頼性の高い調査の実施に定評のあるNGOのレポート及びウェブサイトを継続的にフォローしています。四半期毎に、企業評価に価値ある情報をNGOレポートから抽出し、マネジメント評価指標における評価の更新に用いています。

発行体へのエンゲージメント

発行体企業は、サステイナリティクスのアナリストへの直接的なアクセス、エンゲージメントが可能です。また、サステイナリティクスは発行体企業への対応を目的とした専任チームを有しており、発行体企業との関係性構築を支援します。我々の発行体企業へのエンゲージメントは主に以下二つの目的に基づくものです。

年次の評価更新におけるフィードバックプロセス

  • アウトリーチ:サステイナリティクスは評価対象ユニバース内の企業に対し、ESG リスクレーティングレポートの年次更新プロセスの一環としてコンタクトを行います。これは同レポートの発行を前に、アナリスト側からドラフト段階の評価に対するフィードバックを企業に依頼する目的のものです。
  • 期限:発行体企業には、サステイナリティクスによって収集されたデータの正確性・完全性を確認するため、2週間のレビュー期間が設定されています。同期間内にフィードバックが提出された場合、その情報はアナリストによってレビューされた後、サステイナリティクスがクライアント投資家に対して提供する更新レポートに統合されます。
  • レポート発行後の更新:上記の二週間内において発行体企業からの対応がない場合、ESGリスクレーティングレポートは、フィードバックなしで発行されます。(フィードバック期間が過ぎた後)最終的に発行体企業からのフィードバックがなされた場合、妥当と考えられるデータを可能な範囲で迅速に統合後、ESGレポートを再更新し発行します。発行体からのフィードバックが評価に用いられる場合は、ESGリスクレーティングレポートにおいてその旨が明示されます。

重大なESG 関連企業不祥事の評価

  • アウトリーチ:評価対象企業のESG 関連不祥事の評価をカテゴリー4または5(最も重篤な評価レベル)に下げる場合、アナリストは当該企業に対して事実関係の確認、不祥事事案に対する経営対応の詳細を説明する機会を提供する目的で、当該企業に対しコンタクトを試みます。
  • 期限:発行体企業には、サステイナリティクスによって収集された情報の正確性・完全性を確認するため、48時間のレビュー期間が設定されます。この短期間による発行体企業レビューは、クライアント投資家に対する迅速な不祥事評価の提供を担保するために設定されているものです。

ESGリスクレーティングの評価方法・メソドロジー

サステイナリティクスの基幹プロダクトであるESGリスクレーティングは、機関投資家が財務的に重要(マテリアル)なESGリスクを個別銘柄/ポートフォリオレベルで特定・理解することを支援するために設計されました。ESGリスクレーティングは、各発行体が産業特性、そして事業特性に固有のマテリアルなESGリスクに晒されている度合い(Exposure)、そして各発行体におけるそれらのリスクの管理状況(Management)の把握を試みるものです。これにより、ESGリスクレーティングは機関投資家に対し、各発行体における未管理な状態にあるESGリスクの程度を評価し、レーティングとして提供します。未管理なリスク要因が多いほど、ESGリスクレーティングでは高スコアとして評価されます。(図表5)
詳細は、弊社ウェブサイトにてダウンロード可能な、ESG RISK RATINGS METHODOLOGYをご参照下さい。

ESG RISK RATINGS METHODOLOGYicon-block
 

(1) ESGリスクへのExposure評価

  • 全20個のマテリアルESGイシュー(MEIs:図表6参照)を基に、個々のMEIとビジネスの関係を138の産業⼩分類(サステイナリティクス定義による)毎にレビュー、潜在的インパクトの⼤きなMEIsを産業⼩分類単位で選定(業種によって3-10個程度)します。
  • 同じ産業⼩分類に属する発⾏体は、初期段階において同じMEIs のセットが割り振られ、各MEIに対し産業省⼩分類の特性を鑑み、2-10のExposureスコア(10が最⼤のリスク)が付与されます。(Subindustry Exposure)
  • Subindustry Exposureのスコアに対し、製品ラインナップや⽴地条件、サプライチェーン分布等、個社別の事業特性に基づいた調整ファクターである"Issue Beta値(通常0.5-2.0)"を乗じ、個社別のExposureスコアとして最終化されます。(Company Exposure)
  • コーポレートガバナンスは、すべての発⾏体に対するMEIs のセットで適⽤されます。また、Subindustry Exposureの特定プロセスで選定されたMEIであっても、特定の発行体おいて適切でないと判断された場合、個別MEIがCompany Exposureから除外される場合があります。


図表5:ESGリスク・レーティングの算出

図表5:ESGリスク・レーティングの算出

Source : Sustainalytics


図表6:サステイナリティクスのマテリアルESGイシュー(MEIs)

図表6:サステイナリティクスのマテリアルESGイシュー(MEIs)

Source: Sustainalyticsウェブサイト(各MEIの説明あり)

ESG Risk Ratingsicon-block
 

(2) ESGリスクのManagement評価

サステイナリティクスは、ESG リスクへのエクスポージャーの各企業における管理状況、即ち管理下にあるリスク(Managed Risk)の程度を開示情報をベースに評価します

(2a) リスクの管理可能性の評価(Manageable/Unmanageable Risk)
サステイナリティクスのマネジメント評価おける重要な特徴として、管理可能なリスク(Manageable Risk)と管理不可能なリスク(Unmanageable Risk)という考え方があります。
Unmanageable Riskとは、各社のExposureの中で、当該企業のESGリスク管理の取組みの多寡に拘わらず、一定割合として存在し続ける部分を指します。例えば、タバコ産業における企業は、自社製品に関連した健康被害のリスクを(現在流通している形でタバコを製品として販売し続ける限り)完全には排除することはできません。一方、Manageable Riskとは、各社のExposureのうち、企業の取組みによって管理可能な部分を指し、その割合(%)はマネージャブル・リスクファクター(MRF)として定義されます。個社別のExposureスコアは、MRFを乗じることで、Manageable Riskスコアとなり、下記でManaged Riskスコアを算出する際のベースとなります。

(2b) リスク管理の実践度合いの評価(Managed Risk) 評価対象企業は、各MEIにおけるリスク管理の実践をベスト・プラクティス対比の度合い(0-100%)で評価されます。評価は、マネジメント評価指標(方針・管理体制・取組み等)とアウトカム志向の評価指標のセットで行われ、アウトカム志向の評価指標はマネジメントの定量的パフォーマンス(例:CO2排出量の増減)とESG関連不祥事の発生状況(イベント評価指標により算出)があります(図表7)。各評価指標の粗点は、相対的重要度に応じたウェイトがかけられた上で合算、MEI毎のManagementスコアとして算出されます。

Managed Riskスコアの算出:各MEI のManageable Riskスコアに、実際に企業で行われている管理の達成度合い(Managementスコア)を乗じることで定量的に決定されます。(例:個社別リスクエクスポージャースコア:8点、MRF: 80%、マネジメントスコア: 70%と評価されているMEIのマネージドリスクスコアは、8 x 80% x 70% = 4.48)


図表7:Managementスコアを構成する評価指標

図表7:Managementスコアを構成する評価指標

Source : Sustainalytics

(3) 未管理の状態にあるESGリスクをスコア化

評価対象企業のビジネスが晒されているESGリスクの中で、未管理の状態にリスクの大きさをUnmanaged Riskスコアとして評価します。Unmanaged Riskスコアは、ExposureスコアからManaged Riskスコアを差し引くことで計算され(上記例に基づく場合、8 - 4.48 = 3.52)、当該企業の取組みによるリスク管理の可能性(Manageable/Unmanageable)に拘わらず、"管理されていない状態"にあるリスクの絶対値を算出しています。
企業の総合ESG リスクレーティングスコアは、各社に設定された各MEIのUnmanaged Riskスコアを合計したものであり、同スコアは絶対値に基づく5つのカテゴリー(Negligible/Low/Medium/High/Severe)に分類されます。(図表8)


図表8:ESG Risk Ratingレポート(イメージ)

図表8:ESG Risk Ratingレポート(イメージ)

Source : Sustainalytics

FAQ・問合せ窓口

サステイナリティクスの発行体向けESG評価対応プラットフォーム: Issuer Gateway

サステイナリティクスのウェブサイト上に開設された発行体むけの個別コミュニケーションプラットフォームであるIssuer Gatewayを通じ、各発行体は以下の情報にアクセスすることが可能となります。

  • サステイナリティクスのESGリスク格付けレポートの無料コピー
  • ESGリスク評価に関するFAQと評価手法のドキュメント
  • 年次更新スケジュール情報とドラフトフィードバックレポート
  • Sustainable Finance Solutionsユニットが企業に提供する製品とサービスに関する情報。これには、競合他社とのトップレベルの比較を実行したり、競合状況を使用して業界ランキングを表示したり、競合他社の地位についてより深い洞察を得ることができる補完的な競合他社の情報ツールへのアクセスが含まれます。
    ※Competitive Insights Toolへのアクセス購入が必要となります。
Issuer Gatewayicon-block


Issuer Gateway イメージ

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Source : Sustainalytics

その他サステイナリティクスの発行体向け対応窓口:

Issuer Relations Team: issuer.relations@sustainalytics.com

Website (Get in Touch)icon-block
 

サステイナリティクス・コーポレート・ソリューション "SCS"

サステイナリティクス・コーポレート・ソリューションの概要

サステイナリティクスには、企業のお客様に対して、(1) サステナブルファイナンスの評価、主にグリーン/ソーシャル/サステナビリティボンドに係るセカンドパーティ・オピニオンの提供、(2) ESGリスクレーティングのライセンスサービス等のデータ販売、を行なうサステイナリティクス・コーポレート・ソリューション("SCS")という部門があります。以下で、SCSが提供するサービス・商品説明をご紹介します。

サービス・商品説明

(1) セカンドパーティ・オピニオン

SCSでは、企業のお客様が策定されるフレームワークまたは個別のファイナンスを対象に、独立した外部機関として評価を行うセカンドパーティ・オピニオンを提供しております。これは国際資本市場協会(ICMA)が策定した原則やハンドブック、及びローン市場協会(LMA)が公開している原則に基づいているか、市場の慣行に沿っているかを判断した意見書となります。

サステイナリティクスがセカンドパーティ・オピニオンを提供可能な対象金融商品としては次のものがあります。
・グリーンボンド/ローン
・ソーシャルボンド/ローン
・サステナビリティボンド/ローン
・トランジションボンド/ローン
・サステナビリティ・リンク・ボンド/ローン等
※併せて、ボンド等発行後、資金の充当状況及びインパクトについて年に一度アニュアル・レビューを取得されることを推奨しております。

(2) ESGリスクレーティング

ESGリスクレーティングのライセンスをご購入いただくことによって、各企業のお客様は、サステイナリティクスのESGリスクレーティングをCSRレポートやサステナビリティウェブサイトのみならず、幅広くマーケティングやIRにご利用いただくことが出来ます。

セカンドパーティ・オピニオン作成のアプローチ(例:グリーンボンド)

サステイナリティクス は、ICMAのグリーンボンド原則による推奨事項・ガイダンスを基本とし、調達資金の使途によるインパクト及び発行体のサステナビリティ戦略との整合性といった視点に基づき、発行体のグリーンボンドフレームワークを評価します。

プロジェクトの流れとしては、発行体のフレームワークの内容の確認後、発行体との間でセカンドパーティ・オピニオンのドラフトの確認及びフィードバックのやり取りを繰り返した上で、当社レビュー委員会による審議・承認を行います。その後、発行体による最終承認を経て、レポートの最終文書化及び開示を行います。

また、グリーンボンド発行後、アニュアル・レビューを行う場合、以下の2つを実施します。

  • 調達資金がグリーンボンドフレームワークで事前に約束されたグリーン適格プロジェクトに充当されているかの確認(資金充当状況)
  • 環境改善効果についてもグリーンボンドフレームワークで事前に約束されたインパクト指標についてレポーティングされているかの確認(インパクトレポーティング)