ESG評価機関等の紹介
FactSet Truvalue Labs
FactSet Truvalue Labsについて
FactSet Truvalue Labsは、人工知能(AI)を活用して、世界中の20万以上を超える情報源からデータを収集し、企業のESGパフォーマンスに関する投資家の目線を把握します。外部ソースからの企業のESG行動に焦点を当て、従来のESGリスクデータのソースを超えたポジティブなイベントとネガティブなイベントの両方をカバーします。AIを用いてイベントが発生すると同時に毎月数百万を超えるドキュメントを集約、抽出、分析してスコアを生成します。Truvalue Labsは2020年11月にFactSet Research Systemsの子会社になりました。
Truvalueのスコア算出方法
Truvalueは、構造化されていないテキストからESG情報を定量化し、企業のESGパフォーマンスに関する第三者の視点を提供します。スコアは、人工知能による自然言語処理を用いた解釈、分析を通して生成されます。確立されたサステナビリティやESGのフレームワークに沿った基準に基づき、0~100のスコアが割り振られます。スコア算出の性能を向上させるために、人工知能は専門チームによって継続的な訓練・監視がされています。
スコア算出のプロセスのステップを以下に示します。
収集:第三者のソースからデータを集約
抽出:企業とESGに関連するデータの抽出
分析:指定されたESGカテゴリー内での分析、関連するセンチメントの分析
生成・配信:各カテゴリーでスコアの生成、お客様への配信

以下は、AIに基づいたプラットフォームを使用して実際の記事を取り込んでいる例を示しています。
- システムでは、自然言語処理を用いて、各イベントを分析し、企業名やESG課題を含むトピックを検索します。
- 複数のエンティティ(企業)への紐づけとカテゴリーへ関連付けを行うことでデータの量、精度を向上させています。
- トピックに対するセンチメント分析を行い、関連するカテゴリーのトピックを0~100のスコアで評価します。(~50がネガティブスコア、50が中立、50~がポジティブスコア)

以下は、Truvalue Labsのデータを用いた活用例です。
包括的なグローバルカバレッジ
Truvalue Labsは外部ソースからの企業のESG行動に焦点を当てており、従来のESGリスク・データのソースを超えたポジティブなイベントとネガティブなイベントの両方が含まれています。
20万以上のデータソース

2007年からのヒストリカルデータ
290,000以上の企業に対し、最長2007年からヒストリカルデータを提供します。データは継続的に更新されます。
多国語対応
英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、日本語、ポルトガル語、イタリア語、オランダ語、デンマーク語、フィンランド語、スウェーデン語、ヘブライ語、タイ語等
日本企業のカバレッジ
FactSet Truvalueは現在、約290,000以上の企業カバレッジがあり、そのうちの約55,000社が上場企業です。日本企業は、上場約4,100社、非上場約17,000社のほか、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場の構成銘柄をカバーしています(2025年7月時点)。また、175の日本語ソースから直近12ヶ月間の記事を取り込んでおり、日本語以外では32言語をカバーしています。これらの言語で日本企業に関する言及があった場合、情報が取り込まれます。
企業のTruvalueスコアを向上させるには
Truvalue Labsのスコアは、企業の情報開示に基づくものではありません。ほかのESG評価機関とは異なり、Truvalueは企業からの回答を求めません。Truvalueのサービスは、企業のESGパフォーマンスに関する第三者の視点を提供することを目的としています。そのため、企業がスコアを向上させる最も効果的な方法は、ESGに真剣に取り組み、環境、社会、ガバナンス(ESG)の実践と行動の改善に努めることです。改善されると、規制当局や、メディア、顧客、従業員が恩恵をうけ、第三者メディアによる報道も改善されます。このようにしてTruvalue Labsのスコアが向上していきます。
配信方法
データフィード、API、ワークステーション、FactSet ESG Hub、主要なクラウドプラットフォームへ配信しています。詳細は以下のリンクをご覧ください。
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