パブリック・コメント
企業行動規範の違反行為に対する警告制度の導入等について(案)
当社は,証券市場を取り巻く環境の変化を踏まえ,「企業行動規範に関する規則」を制定し,平成19年12月1日から既に実施しています。
今般,上場会社における反社会的勢力排除に向けた体制整備等に関する行動規範の実効性を更に高める観点から,勧告及び公表措置の他に,新しく警告措置を導入することとし,また,一定期間に警告措置を繰り返し受ける場合には,上場廃止基準に抵触するよう,所要の改正を行います。併せて,親会社等の変更に伴う大幅な事業の変更について,不適当な合併等の審査の対象要素に加えるなど,上場制度を一部改正することとし,その制度要綱を次のとおり取りまとめました。
つきましては,本件に係るパブリック・コメントを募集しますので,御意見等がございましたら,以下の要領により,当社に御提出下さいますようよろしくお願いいたします。
1 上場会社の企業行動規範違反に対する警告措置の導入
ご意見
- 反社会的勢力排除体制の不備についての公表措置後2年以内に不備が認められた場合に警告措置を行うことで足りるのか否か,公表から2年経過後であったとしても,過去に反社会的勢力排除体制の不備から公表措置を受けた上場会社が,再度不備が認められた場合には,警告措置に値するのではないか。
- 同様に1回目の警告を受けてから2年以内に再度の警告を受けた場合にのみ上場廃止基準に該当すると規定することで足りるのか,疑問なしとしない。
- そこで,公表の措置を受けたと同時に1回目の警告を行う,その際,取引所が定める期間内に再度の警告措置を受けた場合には上場廃止とすることができるようにすべきである。
大証の回答
- 上場廃止という重大な効果をもたらす制度を新設するに際しては,既存の上場制度とのバランスや,制度の明確性・安定性にも配慮する必要があると考えております。例えば,上場会社が遵守すべき適時開示規則に対する義務違反については,改善報告書の提出を求めることが必要と認めた場合で,過去5年以内に改善報告書を2回提出しているときには上場廃止することとしています。企業行動規範の定めは基本的に努力義務であることなどから,上記適時開示義務違反に係る制度との均衡上,現時点では,制度要綱案よりも要件を厳格化することは適当でないと考えています。また,取引所が,再度の警告措置に関して事案毎に期間を定める枠組みについては,制度の明確性・安定性の観点から望ましくないと考えます。
- なお,当社は,今回の改正において,反社会的勢力が上場会社の経営に関与し,その実態が本所市場の信用を著しく失墜させたと認められる場合において,公益又は投資者保護の観点から本所が必要と認めるときには当該上場会社を上場廃止できることを,上場廃止基準の取扱いにおいて明確化しています。
2 確認書制度の導入
ご意見
- 確認書制度を充実させるためには,必要に応じて確認書を提出した幹事証券会社選定に至る経緯や当該上場会社の調査内容が適正であるか否かを取引所の選任した外部委員等が検証できるシステムを作ること,幹事証券会社が確認書を提出できない旨を明らかにした時点で上場廃止とすることができるよう明確にルール化することが必要と考える。
大証の回答
- 確認書を提出した幹事証券会社に対して,不適当な合併等に係る審査過程のなかで,必要と認める場合にはヒアリング等を行い,その内容を確認します。また,確認書の提出は,不適当な合併等の審査を申請する際の形式要件であることから,要件を具備していない場合には申請不受理となります。