パブリック・コメント

国外取引参加者制度の創設(案)

当社は,当社市場の流動性をさらに向上し,もって,価格形成の効率化及び国際競争力の向上を図る観点から,我が国に支店等を有さない外国証券業者が,取引参加者として当社市場において直接取引を行うことができるよう,「国外取引参加者制度」を設けることとし,平成21年2月17日にその制度要綱を取りまとめました。

当社は,平成21年2月17日から3月10日までの間,本件についてパブリック・コメントを募集しましたが,制度要綱を変更すべき意見はなかったことから原案通りとすることとしました。ただし,制度要綱中に誤解を招くおそれがある記載等が一部見受けられましたので,制度要綱は一部修正しております。

修正後の制度要綱につきましては,以下を御参照ください。

データの取扱いについて

<平成21年6月12日公表>

国外取引参加者制度の創設(案)(修正後)pdf

  • (注)修正箇所は,赤字にて記載しております。

英語版制度要綱

<参考:平成21年2月17日公表>

国外取引参加者制度の創設(案)pdf

英語版制度要綱

本件に関してお寄せいただいた主な御意見及びそれらに対する当社の考え方は以下のとおりです。御意見を御提出いただいた皆様には,本件につきましての検討に御協力いただきありがとうございました。

(1) 規則の英訳版について

ご意見

  • 取引所のHP等には英文等の規則は掲載されていない。国外取引参加者になろうとする者は,申請を行うまで英文の規則等を入手できず,申請時には,資格要件や申請の手続等を含め,日本語による規則を理解する必要がある。このような方針を否定するものではないが,日本語による規則を理解しなければならない理由を明示するべきではないか。【個人】

大証の回答

  • 当社は,当社規則を理解していただくための参考になるものとして,当社主要規則の英訳版を当社HPに順次掲載していく予定です。
    なお,当社との間で発生する権利・義務関係のうち重要なものは既に要綱の英語版で示していることや,当社への申請において日本の弁護士等が介在するケースも想定されますので,必ずしも当該英訳版提供前の取引資格申請を否定するものではありません。

(2) 現地規制当局等への登録等について

ご意見

  • 本店や取引所取引店が複数ある場合は,そのどれか1か所が規制当局の登録等を受け,かつ,自主規制機関に加入していれば良い,と解釈できる。このような方針を否定するものではないが,本店又は取引所取引店が所在するすべての国における登録及び自主規制機関への加入を求めない理由を明示するべきではないか。【個人】

大証の回答

  • 金融商品取引法上,取引所取引業務の許可を受けようとする者は,その本店及び各取引所取引店のすべてが,現地規制当局の登録等を受けている必要があるものと解されます。しかしながら,要綱案では,申請者の本店又は取引所取引店のいずれか一つが現地規制当局への登録等を受けていればよいと解されるような書きぶりとなってしまっていますので,御指摘を踏まえて当該部分を修正することとします。
    また,自主規制機関への加入は,取引所取引店に対する当社の自主規制の実効性補完を目的として求めるものであり,申請者の各取引所取引店のすべてが,当社との間で情報交換協定を締結している現地自主規制機関に加入している必要があると考えておりますので,誤解を受ける書きぶりとなっている部分を修正することとします。

(3) 海外規制当局の許可について

ご意見

  • ルールの明確化の観点から,「米国等の国・地域」がいずれの国・地域を指すのか,明示すべきではないか。
    同じくルールの明確化の観点から,承認を受ける必要があるのは,国外取引参加者でしょうか,それとも貴取引所なのか,明示すべきではないか。【個人】

大証の回答

  • 御指摘の事項は,当社規則において規定する事項ではなく,補足情報として要綱の備考欄に記載したものです。
    なお,各国の規制内容が異なり,すべてを把握しているわけではございませんが,少なくとも,米国・香港・豪州・シンガポールにあっては,当社がこれらの国・地域の許可を受ける必要があるものと認識しています。

(4) 取引参加者契約について

ご意見

  • 契約は当事者の合意である以上,双方が契約書を持ち合うのが通常の契約方式であると考える。一方的に契約書を差し入れる方式を否定するものではないが,その理由を明示すべきではないか。【個人】

大証の回答

  • 御指摘の契約締結方式は,国内取引参加者との契約締結方式とあわせたものであり,国外取引参加者に対してのみ特別に求めている契約締結方式ではございません。
    なお,取引参加者契約書は,取引参加者間の公正性確保の観点から,個別に協議して調整・作成するものではなく,統一様式のもの(当社HPで公表)をすべての取引参加者との間の契約において使用しています。

(5) 信認金の預託について

ご意見

  • ルールの明確化の観点から,国内取引参加者には有価証券による預託を認める一方,国外取引参加者には有価証券による預託を一切認めない,という差別的な取扱いを行う理由を明示するべきではないか。【個人】

大証の回答

  • 所要額が小額であることや国内に拠点がない者と当社との間の振替機関における事務の困難さを総合的に勘案し,有価証券による代用を認めないこととしました(取引参加者規程第11条第2項)。

(6) 取引責任者の選任について

ご意見

  • 取引参加者代表者,国内代表者及び法令遵守責任者について,引用文のような記載がないことから,これらに対しては日本語会話能力を問う,と解釈する。取引責任者のみ,日本語会話能力を問わないとする方針を否定するものではないが,上記のそれ以外の者と異なる取り扱いとする理由を明示するべきではないか。【個人】

大証の回答

  • 国内代表者及び法令遵守責任者のいずれにつきましても,現在のところ,当社規則上では日本語会話能力を求めない予定です。
    ただし,法律上明記されてはいませんが,国内代表者は,法令で求められる事務等を行うためには,日本語会話能力は一定備えている必要があるものと認識しています。

(7) 承認事項について

ご意見

  • 承認を要する事項が列挙されているが,貴取引所が承認しないと合併等を行えないと理解する。そのような方針を否定するものではないが,そうであれば,承認を受けずに取締役会や株主総会で合併を決議した場合,その決議は無効になることについて,理由や法的根拠を明示するべきではないか。
    承認を受けるべき事項について承認しないことにより,国外取引参加者やその利害関係者に損害が発生したときは,大証は損害賠償責任を負うことになると思われる。そのような方針について否定するものではないが,損害賠償責任を負ってまで国外取引参加者の経営専管事項に立ち入ることについて,その理由を明示するべきではないか。【個人】

大証の回答

  • 取引参加者の合併等の結果,経営体制・業務体制・財務基盤が変わることによって,取引参加者としての適切な運営が損なわれなくなるおそれがあることから,当社は,合併後においても取引資格を付与し続けることが適当か改めて審査を行うこととしています。
    もちろん,法律上の合併等の手続き後に当社が否認したことで合併等が無効になるものではありませんが,当社と取引参加者との間の契約で取引参加者が遵守しなければならないこととしている当社規則において事前に承認を求める事項であるにもかかわらず,当社の承認なく合併等を行った取引参加者に対し,当社は,当社規則に基づき取引停止等の処分を講ずることもあります。
    また,一般論として,規則にあらかじめ承認事項として明示している以上,当社が合併等を承認しないことで取引参加者等に損害が発生した場合でも当社に損害賠償責任が生じることはないと当社は認識しています。

(8) 委託注文の取扱いについて

ご意見

  • 日本に居住する者からの委託注文を,国内取引参加者に取り次ぐことはできると理解できる。そのような方針を否定するものではないが,直接貴取引所に発注できない代わりに国内取引参加者への取次ぎを認める理由を明示するべきではないか。【個人】

大証の回答

  • そもそも,金融商品取引法上,投資家保護の観点から,支店が国内に置かれない外国証券業者が日本の投資家との間で直接取引を行うことは,原則として禁止されているものと解されます。