パブリック・コメント

新デリバティブ売買システム導入に伴う先物・オプション取引制度の追加改正事項について(案)

当社は,平成22年度第4四半期目途として新デリバティブ売買システムを導入することとしていますが,投資家の利便性向上の観点から,先物・オプション取引制度の追加改正を行うこととし,その制度要綱を次のとおり取りまとめました。

つきましては,本件に係るパブリック・コメントを募集しますので,ご意見等がございましたら,以下の要領により,当社にご提出下さいますようよろしくお願いいたします。

データの取扱いについて

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当社は,平成22年3月16日(火)から平成22年4月14日(水)までの間,「新デリバティブ売買システム導入に伴う先物・オプション取引制度の追加改正事項について(案)」に関するパブリック・コメントを募集しました。ご意見をご提出いただいた皆様には,本件につきましての検討にご協力いただきありがとうございました。

本件に関して寄せられた主なご意見及びそれに対する当社の考え方につきましては,以下をご覧ください。なお,本件につきましては原案どおりといたします。

(1) 先物・オプション取引に係る場間の廃止

ご意見

主な賛成意見

  • 賛成。【証券会社,海外投資家】
  • NY市場やFX市場には昼の中断などなく,売買の利便性の面で優れているのは明白。いわば時代の趨勢であり,万が一,昼休みが廃止されない場合,日本市場はますます世界から取り残されることになるだろう。24 時間体制に向けて一層のシステム向上を期待する。【個人】
  • 最近は,上海市場の影響も大きく,後場始値が前場終値から乖離することが多いため,連続して取引することはリスクの軽減につながる。【個人】
  • 日本市場の指数に係るヘッジ取引を SGXで行わないといけないのはおかしい。いつでもヘッジできないのはリスク管理の観点からもお粗末。昼休みの廃止を含め24 時間化を早期に実現して欲しい。【個人】
  • 平成22年度第4四半期目途では遅過ぎる。24時間取引は,直ぐにでも必要ではないか。世界のマーケットで存在価値が上がるように,スピードアップして改革を断行して欲しい。【個人】

主な反対意見

  • 東証がシステム上の問題から後場の取引開始を午後1時に繰り下げた際(2006 年1月19 日から4月21 日),先物価格と現物価格が大きく乖離する「魔の 30 分」問題が発生したが,現物市場の場間を残したまま先物市場の場間を廃止すると,また混乱を招くかもしれない。【個人】
  • 現物市場の場間が廃止されないなら,一部の者にとっては裁定取引の機会となるかもしれないが,それ以外の者にとっては取引しない理由となる。【海外投資家】
  • 板寄せがなくなると,間延びし取引機会が失われ(オプション取引の場合,後場の寄付の取引が重要),個人投資家の利便性が低下する。【個人】
  • 昼休みに前場の状況を見て参加するといったことができなくなるため不都合。個人投資家の参加が大きく減少すると思われる。【証券会社,個人】
  • 前場終了後のポジションの調整,あるいはヘッジ取引の機会確保という観点からなら,場間の廃止ではなく,前場の取引時間を延長(昼休みを短縮)すれば良いのではないか。【証券会社,個人】
  • ヘッジ取引は資金のある投資家だけがやれるものであって,そうした投資家はSGXで取引を行っており,意味がない。【個人】

大証の回答

  • 多種・多様な御意見をいただきましたが,日本市場の昼休み時間帯における経済情勢・アジア市場の動向等に対応したヘッジ取引ニーズが大きいこと,またそうしたニーズを他国の取引所でカバーしている歪な状況を改善し,グローバル・スタンダード(韓国・シンガポールでも廃止済み)との調和も図る観点から,原案どおり実施することとします。
  • 「魔の30分問題」のような混乱を招く可能性があるという御意見をいただいていますが,当社としましては,株式市場の昼休み時間帯に市場をかく乱するような不正行為等が行われていないか売買状況を注視するとともに,不正行為等が認められた場合には,厳正に対処することにより市場の信頼性確保に努めて参る所存ですので,御理解いただけましたら幸甚です。
  • その他,本件に関する御意見以外に先物・オプション取引の24 時間化を希望する御意見も多数いただきましたが,J-GATE稼働以降,上記の考え方や市場参加者のニーズ等を総合的に勘案しながら,さらなる取引時間の延長を検討して参ります。

(2) 日経225miniへのシリアル限月取引の導入

ご意見

  • 賛成。【証券会社】
  • 日経 225miniのシリアル限月取引導入に伴い,ロールオーバー需要への対応として,シリアル限月取引に対応した限月間スプレッド取引を同時に導入して欲しい。また日経平均株価先物取引(ラージ)においてもシリアル限月取引を導入することで,日経225miniの流動性が一層高まり,デルタヘッジ取引などがより効率的に執行できるのではないか。【証券会社】
  • SPAN 証拠金で使うアーリーファイルの変更,また証拠金の算出において追加の処理がある場合は,取り止めて欲しい。【法人】

大証の回答

  • 日経225miniへのシリアル限月取引導入にあたっては,ストラテジー取引の一種のカレンダー・スプレッド取引(現行の限月間スプレッド取引に相当)も導入します。
  • 日経225先物取引へのシリアル限月取引導入については,今後,市場参加者のニーズや日経225miniのシリアル限月取引の取引状況等を踏まえながら,検討して参ります。
  • その他,SPANリスク・パラメーター・ファイルの変更等の発生を懸念する御意見もいただいていますが,日経225miniへのシリアル限月取引の導入は,市場の利便性向上の観点から行うものであり,御理解いただきますようお願いします。なお,今回行うのは既存商品への限月追加であり,新商品を追加する際のような大きな変更は発生しません。

本件に係る関連諸規則の一部改正については,以下のページをご覧ください。