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マーケットニュース

2015/03/31 東証 特設注意市場銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求 —(株)アイセイ薬局—

 

以下のとおり、特設注意市場銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求を行うことにしましたので、お知らせします。

1.銘柄 株式会社アイセイ薬局 株式
(コード:3170、市場区分:JASDAQスタンダード)
2.特設注意市場銘柄指定日 2015年4月1日(水)
  条文 有価証券上場規程第501条第1項第4号
(企業行動規範の遵守すべき事項に違反し、内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められるため)
3.上場契約違約金金額 1,000万円
  条文 有価証券上場規程第509条第1項第2号及び第3号
(企業行動規範の遵守すべき事項及び有価証券上場規程に違反し、当取引所の市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められるため)
4.理由 株式会社アイセイ薬局(以下「同社」という。)は、2015年1月30日に不適切な会計処理に関する第三者委員会の調査報告書を開示し、同年2月16日に過年度の有価証券報告書及び上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)等の訂正報告書を提出し、更に、同年3月6日に、一連の問題に対する原因分析及び再発防止策の検討等を行う経営改善委員会の提言を開示しました。
これらによって、同社において、前代表取締役社長は、過去に自らが議決権の過半数を有する会社に対して実施した事業譲渡代金の回収遅延に伴う貸倒引当金の計上等を回避するために、調剤薬局の出店計画を仮装する等して、同社から取引先に支出された資金を自らに還流させていたこと、上場後においても取引先から同社への資金の返還を仮装するため、外部から個人的に資金を調達のうえ、自らの銀行口座から同社に対して取引先名義での振り込みを実行していたことが明らかになりました。また、同社では、2012年に受けた税務調査によって、これら取引先に支出した資金の多くが取引先から同社の前代表取締役社長に還流していた事実が明らかになったにも関わらず、同社の取締役会及び監査役会では、これが十分に審議されることなく詳細な調査を実施していなかったため、長期間にわたり全容解明がなされなかったことにつながったと認められます。
さらに、同社においては、前代表取締役社長の納税資金等の確保を目的として、同社と前代表取締役社長が議決権の過半数を有する医療法人との間で調剤薬局の出店用地取得にかかる合理性に欠ける取引を行っていたこと、前代表取締役社長が、自身の資産管理会社における不動産取得に関し、同社社印の無断利用を行っていたこと等が明らかとなりました。
これらの原因として、同社においては、前代表取締役社長のコンプライアンス意識が著しく欠如している中、前代表取締役社長が議決権の過半数を有する医療法人等との間での公私混同の状況があったこと、前代表取締役社長に対する他の取締役・監査役の監視・監査機能が有効に機能していなかったこと、調剤薬局の出店案件に関する検討プロセスに不備があったこと、内部監査機能に不備があったこと等が認められました。
以上を総合的に勘案すると、同社では、業務の適正を確保するために必要な体制が適切に構築・運用されておらず、企業行動規範の遵守すべき事項に違反したと認められ、かつ、同社の内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められることから、同社株式を特設注意市場銘柄に指定することといたします。
また、上記の資金流出は、2011年12月22日の同社の当取引所への新規上場以前から、上場の支障となりえる貸倒引当金の計上を回避する等の目的のために行われていたものであったと認められます。しかし、当取引所の新規上場審査において、同社は、当取引所に提出する申請書類がすべて真実である旨の宣誓書を提出していたにもかかわらず、これら取引の実態について、前代表取締役社長との関連当事者取引に該当するものであることも含め真実の記載を行っていませんでした。
以上のとおり、同社は、新規上場申請時に宣誓書において宣誓した事項に違反するとともに、上述のとおり企業行動規範の遵守すべき事項に違反したものであり、当取引所の市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められることから、同社に対して、上場契約違約金の支払いを求めることといたします。

お問合せ

株式会社東京証券取引所 上場部ディスクロージャー企画グループ
電話:03-3666-0141(代表)


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