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2017/10/11 東証 特設注意市場銘柄の指定解除及び監理銘柄(審査中)の指定解除:(株)東芝

 

以下のとおり、特設注意市場銘柄の指定を解除するとともに、監理銘柄(審査中)の指定を解除することにしましたので、お知らせします。

1.銘柄 株式会社東芝 株式
(コード:6502、市場区分:市場第二部)
2.特設注意市場銘柄指定解除日 2017年10月12日(木)
  条文 有価証券上場規程第501条第7項
(再提出された内部管理体制確認書の内容等に基づき内部管理体制等に問題があると認められない場合に該当するため)
3.監理銘柄(審査中)指定解除日
2017年10月12日(木)
  条文 有価証券上場規程第601条第1項第11号の2e
(再提出された内部管理体制確認書の内容等に基づき内部管理体制等について改善がなされなかったと認められないため)

(注)東芝株式は、引き続き、債務超過に係る上場廃止基準の猶予期間に入っています。2018年3月期末時点において債務超過の状態が解消されず、上場廃止基準に該当した場合には、今回の審査結果にかかわらず、東芝株式は上場廃止となりますので、ご留意ください。
4.理由 (経緯)
株式会社東芝(以下「同社」という。)は、2015年7月20日に不正会計に関する第三者委員会の調査報告書を開示し、同年9月8日に過去の決算短信等の訂正を開示しました。これらについて確認した結果、同社の内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められたことから、同年9月15日に同社株式を特設注意市場銘柄に指定しました。
2016年9月15日、当該指定から1年を経過した後に同社から提出された内部管理体制確認書の内容等を確認した結果、改善に向けた取組みの進捗等についてなお確認する必要があると判断したことから、同年12月19日に同社株式の特設注意市場銘柄指定を継続しました。
その後、同年12月27日に同社子会社における巨額の損失計上の可能性が開示され(結果として、2017年3月29日に当該子会社は米国連邦倒産法第11章に基づく再生手続の適用を申請し、連結対象から除外されました。)、これを契機に、2017年2月14日以降、四半期報告書の提出期限を二度にわたり延長しました(その後、四半期報告書は結論不表明、有価証券報告書の財務諸表等は限定付適正意見、内部統制は不適正意見となりました。)。
特設注意市場銘柄指定から1年6か月を経過した後の2017年3月15日、同社から内部管理体制確認書の再提出を受けました。

(認識された内部管理体制等における問題点)
上記の事象において、同社の内部管理体制等において認められた問題点は以下のとおりです。(注)
i) 経営方針の歪み、ガバナンスの形骸化、職責・コンプライアンス意識の希薄化
ii) 経営判断プロセスの杜撰さ
iii) 会計処理の逸脱と開示体制の粗雑さ
iv) 子会社(特に海外子会社)管理の脆弱さ

(注)監査意見を巡る一連の事象との関連においても同社の会計報告体制を確認しましたが、重要な不備があったとは認められませんでした。

(内部管理体制等の改善状況)
今般、特設注意市場銘柄指定から1年6か月を経過した後に同社から再提出された内部管理体制確認書の内容等を審査しました。
その結果、特設注意市場銘柄に指定された後、大要以下の改善策が講じられていることが認められました。
i) 事業実態に反した非合理的な経営目標を要求する等の経営トップによる暴走や歪んだ経営方針が無批判に踏襲されていくことを牽制・抑止するため、取締役の選任・解任プロセスを改善。具体的には、指名委員会を社外取締役のみで構成し執行サイドからの独立性を確保、経営トップに対する信任調査の導入等
経営陣への有効な牽制と執行サイドへの実効的な監督を行うことを目的として、取締役会・監査委員会等の社内機関がその職責を十分に発揮するためのガバナンス態勢を刷新。具体的には、取締役会・監査委員会の構成の見直し及び情報収集態勢の強化、社外取締役のみで構成される「取締役評議会」の設置と重要な意思決定プロセスにおけるチェック機能の発揮等
社内の各部署とその役職員が本来の任務を確実に遂行できる社内風土を定着させることを目的として、全社的なコンプライアンス意識の向上・定着を図るため、全役職員に対し経営トップから継続的にメッセージを発信。また事業・役職に応じた実効的な研修、法令違反等への厳格な処分等を実施
ii) 重要な経営判断を行う際には十分なリスクの分析・評価を必ず行うこととするため、リスク分析・評価を専門とする組織(外部専門家の知見も活用)を設置し、同組織の分析・評価を踏まえて取締役会等で審議することとするなど、意思決定プロセスを見直し
iii) 事業の推進とは独立して適正な会計報告を行うため、CFOの選任・解任に係る拒否権を指名委員会に付与し、また、各カンパニー(各事業部門)の財務部門をCFOの直轄とするなど、財務部門の独立性を強化。開示体制を強化するため、適時開示に係る情報連携体制等を見直し
iv) 子会社の管理を強化するため、リスクに応じて子会社を管理する方針を明確化した上で、子会社のリスク情報の収集態勢の強化、子会社に対する実効的なモニタリング等を実施

(結論)
以上のことから、同社の内部管理体制等については、相応の改善がなされたと認められました。
したがって、同社株式の特設注意市場銘柄指定を解除することとします。また、これに伴い、監理銘柄(審査中)の指定を解除します。
監理・整理銘柄指定状況
監理・整理銘柄指定履歴
特設注意市場銘柄指定状況
特設注意市場銘柄指定履歴

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