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マーケットニュース

2025/01/28 東証 特別注意銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求:(株)アクアライン

 

以下のとおり、特別注意銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求を行うことにしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.銘柄 株式会社アクアライン 株式
(コード:6173、市場区分:グロース市場)
2.特別注意銘柄指定日 2025年1月29日(水)
  理由
 (関連条項)
適時開示の規定に違反し、内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められるため
(有価証券上場規程第503条第1項第3号)
3.上場契約違約金金額 960万円
  理由
 (関連条項)
適時開示の規定に違反し、当取引所の市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められるため
(有価証券上場規程第509条第1項第1号)
4.理由の詳細 株式会社アクアライン(以下「同社」という。)は、2024年9月18日に同社における不適切な会計処理に関する特別調査委員会の調査報告書を受領した旨を開示し、2025年1月10日に過年度の決算内容の訂正を開示しました。
これらにより、同社代表取締役社長(以下「社長」という。)の主導によって、同社で行われていた水まわりサービス支援事業における特定の加盟店の銀行口座を通過させる資金移動取引や、特定の加盟店に対する売上高や貸倒引当金の虚偽表示などが行われており、虚偽の決算内容が開示されていたこと、また、社長からの借入取引について適時開示が行われていなかったこと、さらに、同社が保有する投資有価証券(暗号資産転換可能社債)及び暗号資産について、評価損の計上不足や認識すべき引当金の未計上が認められるなど、特別損失が適切に計上されていなかったことなどが明らかになりました。
その結果、同社は、2022年2月期第2四半期から2025年2月期第1四半期までの決算短信等において、上場規則に違反して虚偽と認められる開示を行い、それに伴う決算内容の訂正により、2023年2月期の親会社株主に帰属する当期純損失が8割以上拡大すること、2023年2月期において債務超過に陥っていたことなどが判明しました。

こうした開示が行われた背景として、本件では主に以下の点が認められました。
・ 社長の指示によって、管理部門担当の取締役や責任者が関与し、加盟店との間の取引を仮装した資金移動による債権回収の偽装や、利益相反取引・関連当事者取引となる社長からの借入取引の隠ぺい・開示回避、重要書類の偽造などの不正行為が行われており、経営者及び一部の役職員のコンプライアンス意識が著しく欠如していたこと
・ 社長の指示により行われた加盟店との間の取引や暗号資産等の取得に関して、取締役会や監査役会に対して適切な情報提供が行われておらず、取締役会・監査役会が形骸化しており、経営者による内部統制の無効化が行われていたこと
・ 加盟店との間における取引に係る合意事項や、暗号資産等を取得する際の合意事項などについて書面による証跡が残されていなかったことなど、取引に係る情報の保存・管理体制が整備されていなかったことや、経理部門やコンプライアンス・法務部門に対して適切に情報提供を行う仕組みが策定、構築されていなかったこと
・ 同社は、主要事業について、2021年8月30日付で消費者庁から業務停止命令等の行政処分を受け、同年12月15日付で再発防止策を策定し、管理部門の体制強化や、全社的なコンプライアンス体制の整備を行うこととし、その実施状況についても開示を行っていたが、実際には、取締役会・監査役会において体制強化の状況の十分な確認・検証が行われておらず、また、内部監査部門やコンプライアンス・法務部門の人材不足をはじめ、管理部門やコンプライアンス体制の十分な強化が行われていなかった状況が継続するなど、各取締役・各監査役が発揮すべき監視・けん制機能の不全が解消されなかったこと

 以上のとおり、本件は、社長の指示により、複数の役職員が関与し、著しくコンプライアンス意識に欠ける複数の不適切行為が行われ、経営者による内部統制の無効化により取締役会の監督機能や監査役会の監査機能、取締役間相互のけん制・監視機能が十分に機能しなかった結果、投資者の投資判断に深刻な影響を与える虚偽と認められる開示が行われたものであり、同社は2024年10月10日付で再発防止策に係る開示を行っているものの、未だ、同社の内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められることから、同社株式を特別注意銘柄に指定することとします。
 また、本件は、上記背景のもと投資判断情報として重要性の高い決算情報について長期間にわたり誤った情報を公表し続けたものであり、当取引所市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められることから、同社に対して、上場契約違約金の支払いを求めることとします。

お問合せ

株式会社東京証券取引所 上場部 開示業務室 ディスクロージャー企画グループ
電話:03-3666-0141(代表)


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