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2021/11/02 JPX東証 日本取引所グループとロンドン証券取引所グループによるネットゼロ気候関連日本株指数の開発について

 
JPX、LSEG ロゴマーク

株式会社日本取引所グループ(以下「JPX」) とロンドン証券取引所グループ(以下「LSEG」)は、2018年7月の両取引所におけるサステナビリティ関連分野及びESG関連の商品・サービスを中心としたマーケティング等における協力合意に基づき、日本の株式市場を広範にカバーするTOPIX 500をベースとする気候関連指数「FTSE/JPXネットゼロ インデックス シリーズ」を新たに開発することで合意しました。これに基づき、JPX、株式会社東京証券取引所(以下「TSE」)及びLSEGのインデックス事業を担うFTSE Russell は、2022年上半期の指数算出開始に向け、緊密に協力してまいります。

昨今、気候問題は、投資家にとっての重要性が高まっており、本年10月にFTSE Russellが公表したアセット・オーナーを対象とした「2021サステナブル投資サーベイ」においても、3分の2を超える(68%の)アジア太平洋地域のアセット・オーナーが、気候問題を優先事項として位置付けるとともに、気候リスクについて過半数が「非常に心配している」と回答しています。

こうした中、気候関連指数は、気候リスクの緩和を志向する投資家にとっての重要性が高まっていますが、今般、JPX とLSEGが共同開発する指数によって、投資家は温室効果ガス排出量に基づく資本の再配分が可能となります。
FTSE/JPXネットゼロ インデックス シリーズは、温室効果ガス排出量と化石燃料埋蔵量のそれぞれについて、TOPIX500をベースとする親指数から30%削減するように構成銘柄のウエイトを調整し、2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロ(ネットゼロ)の達成を目指します。また、加えて、グリーン・レベニュー等も踏まえた多面的な評価を行い、グリーン経済へのエクスポージャーの大幅な上昇を達成します。
なお、FTSE/JPXネットゼロ インデックス シリーズは、EUの気候移行ベンチマーク(CTB)基準に準拠したものとなる予定です。

また、本指数は、気候問題に関する企業の将来的なパフォーマンスの予測指標である、Transition Pathway Initiative(TPI)の「マネジメント・クオリティ・スコア」を組み入れる予定です。本スコアは、低炭素移行について高い水準の対応を行っている企業へのエクスポージャーを高めるために用いられます。TPIは、運用資産及び運用助言資産の総額が40兆ドルに上る100以上の主要なアセット・オーナーに支持されています。TPIマネジメント・クオリティ・スコアは、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の推奨事項に基づきます。 TPIマネジメント・クオリティ・スコアはFTSEのESGデータに基づき1300社以上の日本企業について算出されます。
今般の指数は、パッシブ運用の連動指標、アクティブ運用のベンチマーク、又は投資調査のために活用されることが期待されます。

日本取引所グループ取締役兼代表執行役グループCEOの清田 瞭(きよた あきら)は、「LSEGと当社は、2018年7月、サステナビリティ関連分野及びESG関連の商品・サービスを中心としたマーケティング等において相互に協力することで合意しました。今般、その合意に基づき、FTSE Russellと東京証券取引所が、新たな環境指数の共同開発を行うことを公表するに至ったことを誠に喜ばしく思っております。地球温暖化防止に向けた温室効果ガスの排出削減は、国境を越えて官民で取り組むべき課題であり、本指数が広く利用されることによりこうした取組みをサポートできることを期待しております。」と述べています。

ロンドン証券取引所グループCEOのDavid Schwimmerは、「各国政府が現在グラスゴーで交渉していますが、我々民間部門においても、気候変動関連のファイナンスへのシフトを加速させるため、行動を起こすことができます。今回のJPXとのパートナーシップは、温室効果ガス排出量に基づく資本再配分を可能にする重要なツールを投資家に提供するものです。FTSE/JPXネットゼロ インデックス シリーズは、投資家に広く利用されているTOPIX500をベースとしており、2015年のパリ協定を踏まえた日本株式のエクスポージャーを調整することを可能とします。」と述べています。

JPXとLSEGは、国連の「持続可能な証券取引所イニシアティブ(Sustainable Stock Exchanges(SSE)initiative)」のパートナー取引所として、サステナブル投資の推進に明確にコミットしています。
2021年10月20日、ロンドン証券取引所は、英国の規制および政策を踏まえた発行体向け報告ガイダンスを発行しました。この枠組みは、投資家が気候関連の目標に沿うようなポートフォリオのシフトや、投資先企業へのエンゲージメント活動に寄与します。JPXにおいても、2020年に、上場会社の自主的なESG情報開示を支援するために「ESG情報開示実践ハンドブック」を作成・公表し、更に「JPX ESG Knowledge Hub」を開設するなど、上場会社のESG情報開示をサポートしています。また、気候変動問題に係るJPX自身の取組みとして、2024年度末までに自社で使用する全ての電力について再生可能エネルギーに切り替えることなどにより、同時期までにJPXグループ全体でのカーボン・ニュートラルの達成を目指しています。その第一歩として、JPXは、2021年10月に本社オフィスビル等の電力契約を切り替えることにより、年間ベースで二酸化炭素排出量を27%削減する予定です。

会社概要

日本取引所グループについて

日本取引所グループは、東京証券取引所グループと大阪証券取引所が2013年1月に経営統合して誕生しました。また、2019年10月1日、JPXは東京商品取引所を子会社化し、商品デリバティブ取引に事業を拡大しました。
市場利用者の皆様がいつでも安心して有価証券の取引ができるよう、子会社・関連会社を含めたグループ全体で、取引所金融商品市場の開設・運営に係る事業を行っています。
具体的には、株券等有価証券の売買、デリバティブ商品の取引を行うための市場施設の提供、相場の公表、売買等の公正性の確保に係る業務、有価証券債務引受業等を行う体制を整えています。グループ一丸となり、有価証券等の上場、売買、清算・決済から情報配信に至るまで総合的なサービス提供を行うことで、市場利用者の方々にとって、より安全で利便性の高い取引の場を提供できるよう努めています。

ロンドン証券取引所グループについて

LSEG(ロンドン証券取引所グループ)は、グローバルな金融市場のインフラやデータビジネスを多角的に展開するだけではありません。当社は、お客様が期待するサービスを提供するための卓越したコミットメントを有する、献身的でオープンアクセスのパートナーです。豊富な経験と深い知識、そして世界中の幅広い金融市場に存在して、世界中の企業や各国経済がイノベーションに資金を提供し、リスクを管理し、雇用を創出することを可能にしています。当社はこのように、世界中の地域社会や経済の金融面の安定と成長に対して300年以上にわたって貢献してきました。

 

お問合せ

LSEG Press Office
Oliver Mann/Lucie Holloway
TEL : +44-(0)20-7797-1222
E-mail : newsroom@lseg.com
Web : https://www.lseg.com

株式会社東京証券取引所
情報サービス部 インデックス・グループ
TEL : 050-3377-7754
E-mail : index@jpx.co.jp
Web : https://www.jpx.co.jp