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マーケットニュース

2015/11/05 東証 「企業価値向上経営セミナー」開催報告

 
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東京証券取引所(以下、「東証」という)は、2015年10月5日(月)、一橋大学一橋講堂において「企業価値向上経営セミナー」を開催し、上場会社の経営層を中心に約500名の方々にご参加いただきました。
東証では、日頃から「日本株の魅力向上」という目標を掲げ、上場会社の企業価値向上経営の普及・促進を図っています。本セミナーは、そのような普及促進策の一つとして、上場会社の経営層及び経営をサポートする方々を対象とし、過去の「企業価値向上表彰」の大賞受賞会社である「ユナイテッドアローズ」、「丸紅」、「オムロン」の3社に、具体的な企業価値向上経営の実践事例をご紹介いただき、中長期的な企業価値の向上を目指した経営に取り組んでいただくことを目的としています。

企業価値向上経営セミナーの開催概要

『企業価値向上経営のあり方と今後の課題』 (みずほ証券 杉浦秀徳 氏)

冒頭の講演では、みずほ証券 経営調査部 上級研究員/京都大学経営管理大学院 特別教授の杉浦秀徳氏に、ご登壇いただきました。
企業価値向上経営では、中期経営計画を投資家の視点から策定することがポイントであり、財務諸表には示されない企業独自の事業戦略や財務戦略について、多様な非財務指標を活用するなど、投資家に分かりやすい言葉で明確に説明を行うことが重要であるとお話いただきました。

実践事例紹介1  (ユナイテッドアローズ 丹智司 氏)

続いて、2012年度から始まった「企業価値向上表彰」の第一回大賞受賞企業となった株式会社ユナイテッドアローズ IR室長の丹氏に、企業価値向上経営のための取組みを具体的にご紹介いただきました。ユナイテッドアローズは、果敢に高い目標を設定し、その目標を達成するため、経営理念を社員で共有するなど社内に落とし込む取組みを行っていたことが高く評価され、表彰されました。
丹氏は、企業価値向上には、経営理念を社員に浸透させることが重要だとし、経営理念浸透のための施策や制度を具体的にご紹介いただきました。

ユナイテッドアローズ 丹智司氏 講演資料 PDF

実践事例紹介2  (丸紅 矢部延弘 氏)

実践事例の2つ目として、2013年「企業価値向上表彰」の大賞受賞企業、丸紅株式会社 執行役員 経営企画部長の矢部氏にご講演いただきました。同社は、外部環境の変化などにより1998年度と2001年度にそれぞれ1000億円強の赤字を計上したことがターニングポイントとなり、その危機感からの新しい取組みとして、同社独自の指標である「PATRAC」を導入されました。矢部氏からは、これらの経緯や「PATRAC」の導入による効果として、成長事業を見極め、効率の悪い事業から撤退するなど適切な資源配分ができる体制が構築されてきた事例についてご紹介いただきました。

丸紅 矢部延弘氏 講演資料 PDF

実践事例紹介3 (オムロン 安藤聡 氏)

昨年度の「企業価値向上表彰」の大賞受賞企業であるオムロン株式会社からは、執行役員常務の安藤氏にご登壇いただきました。安藤氏は、持続的に稼ぐ力を発揮するために、長期の視点で経営の舵取りを行い、事業価値、株主価値、ブランド価値をバランスよく高める必要があると指摘されました。また、オムロンの企業価値向上の取組みの具体的施策の一例として、ROICを社員1人1人の意識にまで落とし込むための「ROIC逆ツリー展開」という取組みなどもご紹介いただきました。

オムロン 安藤聡氏 講演資料 PDF

実践事例の総括と今後のあるべき経営とは (スコット・キャロン氏)

最後に、「企業価値向上表彰」の選定委員でもあり、いちごアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長のスコット・キャロン氏から、表彰された企業について総括いただきました。「企業価値向上表彰」で高い評価を受けた企業は、エクセレンス(卓越したもの)への願望があり、常に高い水準を自らに課している。また、事業活動を通じて利益を生み出すことだけではなく、企業も社会の一員として貢献することも重要な役割であるとお話されました。

スコット キャロン氏 講演資料 PDF

「企業価値向上経営」について学びたい方へ 

東証では、企業価値向上経営についてもっと学びたいという方向けに、企業価値向上経営に関するeラーニングを提供しております。このeラーニングは、企業価値向上経営について体系的に学びたいという方にはもちろん、本セミナーにも登場する一般的な経営指標などについても詳しく解説しています。
本セミナーにご参加いただけなかった方も、是非ご活用ください。

お問合せ

株式会社東京証券取引所 上場部 上場会社サービスグループ
電話:03-3666-0141(代表)


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