白金(プラチナ)の元素としての発見は18世紀、本格的な鉱業生産開始は19世紀末であり、人類にとっては比較的新しい貴金属と言えます。また、年間の鉱山生産量は金のおよそ18分の1であり、地上在庫(有史以来の総採掘量)は金の30分の1にも満たないことから、金よりもはるかに高い希少性を持ちます。
年間総需要の約7割を工業用需要が占めるため、金に近い「安全資産」というよりも、むしろ原油に近い「リスク資産」としての側面を持っています。工業用需要のうち、約6割を自動車の排ガス浄化触媒用途が占めますが、主にディーゼルエンジンに用いられる理由は同じPGM(Platinum Group Metals:白金族金属、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム及びオスミウムの 6元素)のパラジウムを凌ぐ触媒性能によるものです。独VW社による排ガス不正発覚後、この分野の需要に陰りがみられますが、白金は車載用燃料電池の基幹部材であることから、次世代自動車の普及状況が今後の需要を占う鍵とされています。供給面では、資源の偏在が著しく、全世界の年間鉱山生産量の7割強を南アフリカ共和国一国が占め、同国の労使交渉、電力供給、国債格付け等の政治経済情勢が大きな価格変動要因となっています。
白金標準先物取引が取引単位500gの現物先物取引であるのに対し、ミニ白金は取引単位が100gの現金決済先物取引です。白金標準先物取引と異なる点は、先物取引の期限が到来しても受渡しを行うことなく、最終清算数値と約定価格との差額による差金の授受で取引が終了する点です。詳細は「制度概要」を参照ください。