日経平均VI先物

商品概要

日経平均VI先物は、(株)日本経済新聞社が算出する、将来の日経平均株価の変動の大きさを推定した指数である日経平均ボラティリティー・インデックス(日経平均VI)を対象とする先物取引で、満期時点の日経平均VIにより差金決済されます。
株価の水準や変動の方向に左右されず、純粋に将来のボラティリティへ投資することができるため、株式ポートフォリオへの効率的なヘッジツールとして利用することや独立した1つのアセットクラスとみなして保有資産に組込むことができます。

日経平均VIとは

日経平均VIは、市場が期待する日経平均株価の将来1か月間の変動の大きさ(ボラティリティ)を表す数値で、株式収益率の標準偏差のようにパーセント単位で表示(注1)されます。計算には当社の日経225オプション価格が用いられ(注2)、(株)日本経済新聞社によりリアルタイムで算出・公表されています。
日経平均VIは、日経平均株価が急落する時に急上昇するという特徴があり、日経平均株価と通常は弱く逆相関する傾向があります。一方、数値が急上昇した後に、一定のレンジ(20~30程度)に回帰するという特徴も持っています。
日経平均VIの説明及び算出方法の詳細は、以下リンク先の(株)日本経済新聞社の日経平均プロフィル(日経平均ボラティリティー・インデックス)をご覧下さい。

日経平均プロフィル(日経平均ボラティリティー・インデックス)icon-block
グラフ
  • パーセント単位での表示
    日経平均VIが「20ポイント」という場合、今後1か月間のボラティリティが年率で20%、日次ベースに換算すると約1%と市場で期待されているということになります。日経平均株価の収益率が正規分布に従うとした場合には、今日10,000円の日経平均株価が1日後に9,900円~10,100円に入っている確率が約68%と市場で考えられていると言えます。
  • 日経225オプション価格を用いて計算
    日経平均株価の将来のボラティリティは目に見えませんが、その情報は日経225オプション価格に反映されていると考えられます。日経平均VIは、日経225オプションの全ての権利行使価格の価格を用いることで、市場全体で期待される将来のボラティリティを表します。

日経平均VI先物の特徴

日経平均VI先物と株価指数を対象とした先物取引(例えば、日経225先物)とは、取引の対象とする指数の特徴が違いますが、レバレッジを効かせた取引であるといった先物取引における一般的な特徴は共通しています。
しかし、日経平均VIのボラティリティは他の資産と比べて高いため、それを原資産とする日経平均VI先物も同様にボラティリティが高い商品と言えます。例えば、下図に示した平成19年1月から平成24年3月における日経平均VI終値の変動率は、-32.7%~55.2%(標本標準偏差は約0.07)で、同時期の日経平均株価の-12.1%~13.2%(標本標準偏差は約0.02)と比べても、その変動は大きいことが分かります。

日経平均VI終値の変動率

日経平均VI先物と日経平均VIとの関係

日経平均VI先物は、満期日における日経平均VIをもとに取引されます。このため、日経平均VIに対する日経平均VI先物の価格の関係は、30日物のスポットレートに対する30日物のフォワードレートの関係に似ていると言えます。例えば、平成24年3月16日において、日経平均VI(終値)は20.95で、日経平均VI先物4月限(満期は平成24年4月11日)の清算数値は21.35でした。下図に示すように、3月16日の日経平均VIが表しているのは、この日から30日間における期待ボラティリティ(スポット)であり、日経平均VI先物4月限の価格が表しているのは、4月11日から30日間における期待ボラティリティ(フォワード)です。

期待ボラティリティ

日経平均VI先物と日経平均VIとの間にあるこの関係から以下のことが言えます。

  1. 日経平均VI先物の価格は、将来30日間の期待ボラティリティの期間構造によって、日経平均VIに比べて大きくも小さくもなります。
  2. 日経225先物と日経平均株価との間にあるような価格の裁定関係(キャリーコストの関係)が、日経平均VI先物と日経平均VIとの間にはありません。日経平均VIは、期待ボラティリティであり取引できる資産ではないため、日経平均VI先物と同等のポジションを日経平均VIで作ることができないためです。

利用方法

ボラティリティへの直接的な取引

日経平均VI先物の最も直接的な利用方法は、(特に短期の)将来のボラティリティを取引するというものです。オプションのストラドル(権利行使価格と限月が同一のプットオプションとコールオプションの両方を買う・売る投資戦略)等によっても、将来のボラティリティを取引することができますが、純粋にボラティリティの変化のみを取引することはできません。
例えば、アットザマネー(ATM)のオプションによってストラドルを組んだ場合、オプションがATMから離れてしまうと、そのポジションのデルタ(日経平均株価の変化に対するポジションの価格の変化)が0でなくなってしまうので、ポジションの価格が日経平均株価の変化にも影響を受けてしまいます。
一方で、日経平均VI先物取引は、ボラティリティの水準に直接投資しますので、より純粋にボラティリティを取引できるという魅力があります。また、対象とする日経平均VIは、比較的簡単に観測できる数値(例えば、日経平均VIの平均や過去の実現ボラティリティからの乖離、日経平均株価のパフォーマンス、観測月)から水準感をつかみやすいということも日経平均VI先物取引の魅力として挙げられます。

異なる期間におけるボラティリティを比較した取引

ボラティリティのアウトライトポジションをとる取引の他にも、日経平均VI先物のカレンダー・スプレッド取引によって、異なった期間におけるボラティリティの水準に対して取引することができます。例えば、日経平均VI先物5月限と6月限について、5月限が割高で6月限が割安と考えた場合、カレンダー・スプレッドの買い(5月限の売り+6月限の買い)によって、5月と6月の期待ボラティリティの差が広がった場合には正のリターンが得られます。

株価の急落リスクのヘッジとポートフォリオの分散化

日経平均株価の急落時に日経平均VIがスパイクするという傾向を利用すれば、日経平均VI先物を保有しておくことで、株式ポートフォリオの一時的な急落に対するヘッジとして機能することが期待できます。また、日経平均VIのリターンとボラティリティは他の主要な資産(株式、債券、商品や不動産等)に比べて大きく、また株式以外の資産との間にほとんど相関がないことから、日経平均VI先物をポートフォリオに加えることで、さらなるポートフォリオの分散化を達成することができます。このことは、2008年のリーマン・ショックにおいて、日経平均株価を含めほとんどのアセットクラスの価格が低下した中で、日経平均VI等のボラティリティ指数はこれらの資産価格とは相関せず、上昇していたことからも、この方法が機能することが期待できます。

日経平均VI先物のリスク

一般的な先物取引のリスクに加え、以下のような日経平均VIの変動の特性上、日経平均VI先物の売方には特有のリスクが存在し、その損失は株価指数先物取引と比較して非常に大きくなる可能性があります。資産・経験が十分でない投資家が日経平均VI先物を行う際には、売建てを避けてください。

  • 日経平均VIは、相場の下落時に急上昇するという特徴があります。
  • 日経平均VIは、急上昇した後に数値が一定のレンジ(20~30程度)に回帰するという特徴を持っています。

下の実例では、1日で日経平均株価が約6%低下したのに比べ、日経平均VIは約74%上昇しました。日経平均VIは、このように短期間で急激に数値が変動するため、リアルタイムで価格情報を入手できない環境での取引は推奨されません。

日経平均VI 例

日経平均VIは、日経平均株価など株価指数とは数値の変動の特徴が大きく異なっています。日経平均VIの特徴について十分にご理解の上で、日経平均VI先物を行って頂きますようお願いいたします。

ご参考 ・ 先物取引のリスク

パンフレット等

個人向けインターネット取引取扱い証券会社

日経平均VI先物 個人向けインターネット取引取扱い証券会社

マーケットメイカー制度

流動性を補完するため、マーケットメイカー制度を導入します。制度の詳細については以下のページをご覧ください。

マーケットメイカー制度

著作権等

日経平均ボラティリティー・インデックスの著作権等について

関連サイト

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