議決権電子行使プラットフォームの運営

機関投資家の参加拡大に向けて

ICJは2010年、機関投資家の参加者拡大を企図して、機関投資家向けの招集通知一覧サイト「アローフォース」の運営を開始しました。2009年8月の証券取引所の規則改正により、上場会社は株主総会招集通知等を発送する場合、当該書類をその発送日までに電磁的な方法により証券取引所に提出することが義務付けられ、2010年3月基準日の株主総会から、これらの書類は証券取引所のウェブサイトに公表されることになりました。

これまでも、一部の招集通知は発行会社のウェブサイトや外部の専用サイトに掲載され電磁的に閲覧可能でしたが、その数は限られていました。「アローフォース」は証券取引所のウェブサイトの補完的機能を果たすものとして、国内の全上場会社の招集通知の閲覧を可能にするとともに、機動的な検索機能や新着メールによる通知機能を利用者に提供します。

すでに国内を中心に50社以上の機関投資家等が「アローフォース」の利用を開始しました。議案情報の早期入手はもちろん、PDFファイル提供による保管の省スペース化や、招集通知の一覧性および検索性等の点で株主総会実務の効率化に大いに寄与しております。「アローフォース」の稼動により、議決権行使の事務フローのうち、懸案だった「往路」については一元化する見通しがついたことになります。

この他にも、2008年には、銀行、生命保険、損害保険等の自らの名義で保有する機関投資家によるプラットフォーム経由の議決権行使が管理信託銀行の協力により実現しました。 今後は「復路」の一元化についても関係者と協議し、取組みを進めていかなければならないと考えています。

 

発行会社の参加拡大に向けて

最近では多数の関係者より利用者の早期拡大の観点から、発行会社のプラットフォーム参加について義務化を検討してほしいとの要望がでています。この点については、2009年6月に公表された金融庁金融審議会金融分科会「わが国金融.資本市場の国際化に関しますスタディグループ」報告の「議決権行使を通じたガバナンスの発揮」の項目のなかで上場会社によるプラットフォームの利用促進が取り上げられ、「取引所においては、上場会社による議決権電子行使プラットフォームの利用促進に向け、例えば、一定の上場会社に対する利用義務化の検討などを含め、積極的な取組みが求められる。」との提言がなされました。

これを受けて、東京証券取引所は上場制度整備懇談会で議論を行い、2010年6月の有価証券上場規程の改正に際して、議決権行使を容易にするための環境整備として、プラットフォーム利用の促進も念頭に、実質的な株主が電磁的な方法により議決権の行使指図ができる状態に置くことを企業行動規範の努力義務のなかに規定しています(有価証券上場規程施行規則第437条第5号)。

プラットフォームへの未参加の上場会社の皆様には、是非参加をご検討くださいますようお願いいたします。