• X
  • facebook
  • instagram
  • youtube

上場制度(ベンチャーファンド)

ベンチャーファンドを上場するためには、その発行内容その他の事項が、「有価証券上場規程(ベンチャーファンド)」に定める上場審査基準に適合していることが必要です。

上場審査基準では、運用資産等の総額に占める未公開株等への投資比率や、純資産総額などについて基準を定めています。

また、ベンチャーファンドの発行者及び資産運用会社には、適切な資産運用体制、コンプライアンス体制及び適時開示体制が整備されていることを求めています。あわせて、資産運用業協会の会員であることや、運用資産等に含まれる未公開株等及び未公開株等関連資産を適正に評価できる体制が整備されていることなどが必要です。

具体的な上場審査基準は、次のとおりです。

運用会社等の属性について

項目 基準の内容
資産運用会社の適格性 投資法人の資産の運用に係る業務の委託を受けた資産運用会社が、一般社団法人資産運用業協会の会員であること。
投資主名簿等管理人 投資主名簿等管理人が当取引所の承認する機関であること。

運用資産等の内容について

項目 基準の内容
運用資産等の総額(管理報酬等留保額を控除することができる。)に占める未公開株等投資比率 50%を超える見込みのあること。
 
具体的には、次のいずれかに適合していることをいいます。
  1. 上場申請時において、未公開株等投資比率が既に50%を超えていること。
  2. 新規ベンチャーファンド上場申請者が、次のa及びbに掲げる書類を上場申請時に提出し、上場後2年以内に未公開株等投資比率が50%を超える見込みがあること。
    1. 運用資産の組入計画を記載した書面
    2. 上場後2年以内に、aの組入計画を達成する旨の確約を証する書面
  • 組入計画を提出した場合の開示
    運用資産の組入計画を記載した書面を提出している場合は、運用資産等に関する事項の開示において、当該組入計画の進捗状況を3か月ごとに1回開示する必要があります。
    また、当該組入計画を変更する場合又は当該組入計画が未達となった場合は、その理由及び今後の組入計画を開示した上で、その進捗状況を3か月ごとに1回開示する必要があります。

用語の定義

項目 内容
運用資産等
(有価証券上場規程1201条第1号の7)
投資証券の発行者である投資法人の資産をいう。
管理報酬等留保額
(有価証券上場規程施行規則1305条第3項)
運用報酬、管理報酬その他これらに準ずる費用の支払原資として留保されている資産の額をいい、未公開株等関連資産のうち当該留保額に相当する部分の額を含む。
未公開株等投資比率
(有価証券上場規程1305条第2号a、有価証券上場規程施行規則1305条第2項)
運用資産等の総額(管理報酬等留保額を控除することができる。)に占める主要投資資産の額及び未公開株等関連資産のうち主要投資資産に相当する部分の額の合計額の比率をいう。
  • 未公開株等投資比率の計算に当たっては、運用資産等の総額から管理報酬等留保額を控除することができます。この場合、管理報酬等留保額の明細及び算定根拠を示す書面を提出する必要があります。
主要投資資産
(有価証券上場規程施行規則1305条第2項)
未公開株等、継続保有株券等並びに国内の金融商品取引所又は外国金融商品取引所等への上場に伴う公募若しくは売出しに際して取得した株券等(発行者が指定する販売先への売付け(親引け等)によるもの又は関心の表明が記載されているものに限る。)及び当該上場に伴う第三者割当に際して取得した株券等をいう。
未公開株
(有価証券上場規程1201条第15号)
国内の金融商品取引所に上場されている株券(特定取引所金融商品市場に上場する企業の発行するものを除く。)又は外国金融商品取引所等において上場若しくは継続的に取引されている株券以外の内国株券又は外国株券をいう。
未公開株等
(有価証券上場規程1201条第16号)
次のaからcまでに掲げるものをいう。
  1. 未公開株
  2. 未公開株の発行者が発行する優先株等、新株予約権証券及び新株予約権付社債券
  3. a又はbに掲げる有価証券の発行者が発行する社債券又は当該有価証券の発行者を債務者とする投資信託法施行令第3条第7号に掲げる金銭債権(投資法人がa又はbに掲げる有価証券を保有する場合に限る。)
未公開株等関連資産
(有価証券上場規程1201条第17号)
次のaからhまでに掲げる資産をいう。
  1. 当事者の一方が、相手方の行う出資された財産を主として未公開株等及び継続保有株券等に対して投資する運用のために出資を行い、相手方が、その出資された財産について主として未公開株等及び継続保有株券等に対する投資として運用し、当該運用から生じる利益の分配を行うことを約する契約に係る出資の持分
  2. LPS法第3条に規定する投資事業有限責任組合契約に係る出資の持分(出資者が共同で未公開株等及び継続保有株券等の取得及び保有のために出資を行い、出資された財産について主として未公開株等及び継続保有株券等に対する投資として運用するものに限る。)
  3. 受益証券(投資信託の投資信託財産を主として未公開株等及び継続保有株券等に対する投資として運用するものに限る。)
  4. 投資証券(投資法人が運用のために保有する資産を主として未公開株等及び継続保有株券等に対する投資として運用するものに限る。)
  5. 株券(出資された財産を未公開株等及び継続保有株券等に対する投資として運用することのみを目的として設立された株式会社が発行したものに限る。)
  6. 資産流動化法に規定する優先出資証券(当該特定目的会社が資産の流動化に係る業務として取得した資産を主として未公開株等及び継続保有株券等に対する投資として運用するものに限る。)
  7. 資産流動化法に規定する特定目的信託の受益証券(当該特定目的信託の信託財産を主として未公開株等及び継続保有株券等に対する投資として運用するものに限る。)
  8. 外国の法令に基づく権利及び外国の者の発行する証券でaからgまでに掲げる権利及び証券の性質を有するもの
継続保有株券等
(有価証券上場規程1201条第6号)
次のaからdまでに掲げるものをいう。
  1. 国内の金融商品取引所に上場されている株券(特定取引所金融商品市場に上場する企業の発行するものを除く。)又は外国金融商品取引所等において上場若しくは継続的に取引されている株券となる前から継続保有していた株券で、現に上場又は継続的に取引されている内国株券又は外国株券
  2. 優先株等、新株予約権証券及び新株予約権付社債券であって、これらの発行者が発行する株券が国内の金融商品取引所に上場されている株券又は外国金融商品取引所等において上場若しくは継続的に取引されている株券となる前から継続保有していたもの並びに当該新株予約権証券に係る新株予約権又は当該新株予約権付社債券に付与されている新株予約権を行使することにより取得する国内の金融商品取引所に上場されている株券又は外国金融商品取引所等において上場若しくは継続的に取引されている株券
  3. a又はbに掲げる有価証券の発行者が発行する社債券であって、当該発行者が発行する株券が国内外の金融商品取引所に上場等される株券となる前から継続保有していたもの(投資法人がa又はbに掲げる有価証券を保有する場合に限る。)
  4. a又はbに掲げる有価証券の発行者を債務者とする投資信託法施行令第3条第7号に掲げる金銭債権であって、当該発行者が発行する株券が国内外の金融商品取引所に上場等される株券となる前から継続保有していたもの(投資法人がa又はbに掲げる有価証券を保有する場合に限る。)

財務内容等について

項目 基準の内容
純資産総額 上場の時までに30億円以上になる見込みのあること。
監査意見 次の(a)及び(b)に適合していること。
 
(a)最近2年間に終了する各営業期間(当該新規上場申請に係るベンチャーファンド発行投資法人の設立後の期間に限る。以下同じ。)の財務諸表等又は各営業期間の中間財務諸表等が記載又は参照される有価証券報告書等に虚偽記載を行っていないこと。
 
(b)最近2年間に終了する各営業期間の財務諸表等に添付される監査報告書及び最近1年間に終了する営業期間の中間財務諸表等に添付される中間監査報告書において、公認会計士等の「無限定適正意見」若しくは「除外事項を付した限定付適正意見」又は「中間財務諸表等が有用な情報を表示している旨の意見」若しくは「除外事項を付した限定付意見」が記載されていること。ただし、施行規則で定める場合は、この限りでない。

ベンチャーファンドの分布状況について

項目 基準の内容
上場投資口数 上場の時までに2,000口以上になる見込みのあること。
大口投資主(所有する投資口口数の多い順に10名の投資主をいう。) 大口投資主が所有する投資口の総口数に自己投資口口数(自己投資口処分決議を行った場合には、処分する自己投資口口数を除く。)を加えた投資口口数が、上場の時までに、上場投資口口数の80%以下になる見込みのあること。
投資主数 大口投資主及び自己投資口を所有している場合(所有している投資口の全てについて自己投資口処分決議を行った場合を除く。)の当該新規上場申請銘柄の発行者である者を除く1単位以上の投資口を所有する投資主の数が、上場の時までに300人以上となる見込みのあること。

運用体制等について

項目 基準の内容
未公開株等及び未公開株等関連資産の評価の適正性 運用資産等である未公開株等及び未公開株等関連資産の評価を適正に行うことができる状況にあること。
  1. 規程第1312条第6項第5号に規定する事項の開示のために運用資産である未公開株等及び未公開株等関連資産の評価を一般社団法人資産運用業協会の定める投資信託財産の評価及び計理等に関する規則第14条に規定する方法で行うこと。ただし、当該方法による評価を行わない未公開株等及び未公開株等関連資産について、その評価を未公開株等評価機関に委託している場合は、この限りでない。
  2. 前号ただし書に規定する場合には、未公開株等評価機関について、資本関係、人的関係、取引関係その他の関係を総合的に勘案し、新規ベンチャーファンド上場申請者からの独立性が確保されている状況にあると認められること。
  3. 第1号ただし書に規定する場合には、未公開株等評価機関について、次のaからcまでに掲げる事項から、適正な評価を行うことができる社内体制が整備されている状況にあると認められること。
    1. 原則として、評価機関として設立された後、基準営業期間の末日までに3か年以上を経過していること、かつ、相応の財務基盤及び安定した収益実績を有すること。
    2. 評価に係る業務の遂行に必要な人員が確保されていること。
    3. 評価機関としての実績を有していること。
開示の適正性 新規ベンチャーファンド上場申請者が、当該ベンチャーファンドに関する情報の開示を適正に行うことができる状況にあること。
  1. 新規上場申請書類のうちベンチャーファンドに関する情報の開示に係るものに、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項が適切に記載されていること。
  2. 新規ベンチャーファンド上場申請者が、資産の運用等に重大な影響を与える事実等の情報を適時、適切に開示することができる体制にあること。また、内部者取引等の未然防止に向けた体制が、適切に整備、運用されている状況にあると認められること。
資産運用等の健全性 新規ベンチャーファンド上場申請者が、資産の運用等を健全に行うことができる状況にあること。
  1. 新規ベンチャーファンド上場申請者が資産の運用等にあたって、新規上場申請銘柄の投資主の利益を害することがないよう、適切な体制を整備していること。
  2. 新規ベンチャーファンド上場申請者が、次のa及びbに掲げる事項その他の事項から、スポンサーの企業グループとの間で、取引行為その他の資産の運用等を通じて不当に利益を供与又は享受していないと認められること。
    1. 新規ベンチャーファンド上場申請者とスポンサーの企業グループとの間に取引が発生している場合において、当該取引が取引を継続する合理性及び取引価格を含めた取引条件の妥当性を有すること。
    2. スポンサーの企業グループが自己の利益を優先することにより、新規上場申請銘柄の投資主の利益が不当に損なわれる状況にないこと。
  3. 新規ベンチャーファンド上場申請者が資産の運用等を有効に行うため、その内部管理体制が、次のa及びbに掲げる事項その他の事項から、相応に整備され、適切に運用されている状況にあると認められること。
    1. 新規ベンチャーファンド上場申請者の企業グループの経営活動の効率性及び内部牽制機能を確保するに当たって必要な経営管理組織が、相応に整備され、適切に運用されている状況にあること。
    2. 新規ベンチャーファンド上場申請者の企業グループの内部監査体制が、適切に整備、運用されている状況にあること。
  4. 新規ベンチャーファンド上場申請者が資産の運用等にあたって、法令等を遵守するための有効な体制が、適切に整備、運用されている状況にあると認められること。
その他 その他公益又は投資者保護の観点から、その上場が適当でないと認められるものでないこと。
  1. ベンチャーファンドの新規上場を申請した者の企業グループが反社会的勢力による経営活動への関与を防止するための社内体制を整備し、当該関与の防止に努めていること及びその実態が公益又は投資者保護の観点から適当と認められること。
  2. その他公益又は投資者保護の観点から必要と認められる事項について上場審査を行う。

規約について

項目 基準の内容
主な投資対象資産 未公開株等投資比率を原則として50%超とする旨
 
次のイ又はロのいずれか
 
イ 第1201条第6号cに掲げる社債券及び同号dに掲げる金銭債権並びに同条第16号cに掲げる社債券及び金銭債権(未公開株等関連資産のうちこれらに相当する部分を含む。)に投資しない旨
 
ロ 運用資産等の総額に占める第1201条第6号cに掲げる社債券及び同号dに掲げる金銭債権並びに同条第16号cに掲げる社債券及び金銭債権への投資額(未公開株等関連資産のうちこれらに相当する部分の額を含む。)の比率が、原則として30%を超えない運用方針である旨
その他の投資対象資産 未公開株等、未公開株等関連資産及び継続保有株券等以外の資産が、投資信託法施行規則第19条第3項各号に掲げるもの、投資信託法施行令第3条第7号に掲げる金銭債権、流動資産等及び運用資産等に係る価格変動による損失の危険その他の危険を減殺することを目的とし、かつ、当該損失の危険その他の危険を減殺することが客観的に認められる取引に係る権利その他の資産に限られる旨
 
(参考)未公開株等、未公開株等関連資産及び継続保有株券等以外の資産の例
  • 投資信託法施行規則第19条第3項各号に掲げるもの
    (例:上場有価証券、店頭売買有価証券、国債、地方債、特別法人債券、資産流動化法の特定社債、社債、株券・新株予約権証券(協会価格公表あり)、投資信託受益証券、投資証券、投資法人債、カバードワラント、上場商品)
  • 投資信託法施行令第3条第7号に掲げる金銭債権
  • 流動資産等
    投資法人計算規則第37条第3項第1号イからハまで、トからヌまで及び同項第4号ニに規定する資産(同項第1号ヌに規定する資産にあっては、未収消費税に限る。)並びに当該資産を信託する信託の受益権(有価証券に該当するものを除く。)をいいます(有価証券上場規程第1201条第19号)。
  • 権利その他の資産
    運用資産等に係る価格変動による損失の危険その他の危険を減殺することを目的とし、かつ、当該損失の危険その他の危険を減殺することが客観的に認められる取引に係るもの
    (例:ヘッジを目的とするデリバティブ取引等)
クローズドエンドであること 投資法人の規約において、投資主の請求による投資口の払戻しをしないこととされていること。
特定の投資先への投資制限 次のイ又はロのいずれか
 
イ 特定の投資先に取得時における純資産総額の10%を超えて投資しないこと。
 
ロ 未公開株等又は未公開株等関連資産については特定の投資先に取得時における純資産総額の15%を超えて投資せず、その他の資産については特定の投資先に取得時における純資産総額の10%を超えて投資しないこと。
  • 特定の投資先に純資産総額の10%を超えて投資する場合の取扱い
    特定の投資先に取得時における純資産総額の10%を超えて投資する場合には、取得の際に、適時開示において、適切な投資であると判断した理由を記載する必要があります。
資金の借入れ及び投資法人債券の発行
次のイ又はロのいずれか
 
イ 資金の借入れ及び投資法人債券の募集をしないこと。
 
ロ 原則として総資産有利子負債比率が20%以下となる運用方針、資金の借入れ又は投資法人債券の発行に係るリスク管理方針並びに資金の借入れ又は投資法人債券の発行に係る目的、限度額及び使途に関する事項
  • 総資産有利子負債比率が20%を超えた場合の取扱い
    投資法人において、営業期末に総資産有利子負債比率が20%を超えた場合は、猶予期間に入ります。翌営業期末までに当該比率が20%以下とならない場合は、上場廃止基準に該当します。
    ただし、投資法人が総資産有利子負債比率の20%超過の事由を記載した書面を提出し、当該事由が一時的な資金需要その他やむを得ない事由であると当取引所が認めた場合は、猶予期間入り又は上場廃止の対象となりません。
    一時的な資金需要その他やむを得ない事由としては、投資タイミングに機動的に対応するためのブリッジローン等の利用や、市況等の影響により総資産額が急変動した場合等が想定されます。
営業期間 営業期間として定める期間が6か月以上であること。

その他について

項目 基準の内容
振替機関取扱い 新規上場申請銘柄が指定振替機関における取扱いの対象であること又は上場の時までに取扱いの対象となる見込みのあること。